京都府がシェアモビリティの「LUUP」と提携し、職員の公用車としてシェアリングの電動キックボードなどを導入。都道府県としては全国初の取り組みで、出張先での利用も可能とし、公務の効率化を目指します。
「国も認めた」移動手段 公用車としてシェアモビリティ活用
京都府が2026年1月、シェアモビリティサービス「LUUP」を提供するLuup(岡井大輝社長)と「シェアモビリティ・サービスの活用を通じた次世代型の行政手法への転換に向けた連携・協力に関する協定」を締結しました。
移動手段の多様化を目指す地方自治体の取り組みは全国で見られますが、今回の協定締結で最も大きなポイントは、「府職員の移動手段としてLUUPを活用することによる、公務の効率化と環境負荷低減の検証」を掲げたことです。
協定締結後、京都府庁にはLUUPのポートが設置されていますが、職員は府庁以外のポートも利用できます。たとえば、国への陳情で東京に出張した際も、公務としての移動が認められているため、公用車と同じように出張旅費として清算することが可能です。担当する京都府総務課は次のように話します。
「シェアモビリティの使用は、国で認められる規則改正がなされたことを受けて、京都府でも旅費として認めることになりました」
国の旅費法(国家公務員等の旅費に関する法律)の運用方針改正は2023年に行われています。財務省は府省庁に対して旅費事務の合理化を促す通知を出し、旅費法の運用ルールを定めた「運用方針」の改定を行いました。これにより、従来は鉄道・バスなどの公共交通の運賃に限られていた旅費の対象範囲に、アシスト自転車、電動キックボードなどのシェアモビリティの使用を認めました。
LUUPが選ばれた理由はある意味「DX」!?
数あるシェアサービスの中で、なぜLUUPが選ばれたのでしょうか。
「各社がシェアサービスを行っていますが、その中でもLUUPは、利用経路が後日わかるような仕組みがあることが、京都府が協定を結ぶ理由になっています」(京都府総務課)
旅費法の運用ルールには、公務遂行上必要で、経済的・効率的な経路であることが公費支出の条件になっています。京都府の場合、LUUP利用時に発行される領収書をもとに経費精算されますが、経費請求ごとにそれぞれの利用経路がわかるので、旅費法の運用ルールの条件も満たしているというわけです。
実際の電動キックボードなどのシェアサービス活用は、都道府県としては全国で初めての取り組みです。西脇隆俊府知事は、次のように狙いを話しています。
「京都府が目指す『次世代型の行政手法』への転換に向け、株式会社Luupと連携協定を締結できましたことを、たいへんうれしく思います。シェアモビリティの利用を通じ、公務の効率化や生産性の向上などに取り組むこととしていますが、職員の利用はもとより、京都府庁や国の重要文化財にも指定されている旧本館に来られる方々など、府民や観光客の皆様にも幅広くご利用いただきたいと考えています」
Luupの岡井大輝社長は次のように話します。
「業務効率化への貢献はもちろんのこと、正しい交通ルールの周知や、より安全な走行環境づくりに向けた検討においても非常に意義深いものです。これからも京都府の皆さまとともに、安全・安心で持続可能な移動インフラの構築に尽力してまいります」
協定ではほかにも、府の施設へのポート設置を促進するほか、民間施設への導入も働きかけます。また、災害時の移動手段の活用も両者で検討することが盛り込まれています。さらに、LUUP利用者の走行データの分析などを通じた、観光振興やまちづくりへの活用検討も考えています。(中島みなみ(記者))