下関市の「正琳寺」が全焼、焼け跡から5人の遺体…寺とつながる家屋に住む5人と連絡取れず

20日午前2時25分頃、山口県下関市豊浦町川棚の浄土真宗本願寺派「正琳寺(しょうりんじ)」で火災が起きているとの119番があった。火は約3時間後に消し止められたが、寺と、併設する木造2階建て家屋がともに全焼し、家屋部分から性別不明の5人の遺体が見つかった。家屋に住んでいたとみられる5人と連絡が取れておらず、県警が遺体の身元や出火原因を調べている。
県警によると、世帯主は岩崎恵弘(えこう)さん(89)で、家屋には岩崎さんのほか、50歳代男性、40歳代女性、10歳代の男性、10歳未満の女児の計5人が住んでいたとみられる。寺と家屋は通路でつながっていたという。敷地内にはほかにも建物があり、焼損した。
下関市消防局によると、20日午前2時23分に、女性の声で「助けて」と119番があり、その後、周辺から通報が相次いだ。消防車14台が出動して消火活動を実施。同日午前に2人、午後に3人の遺体が見つかった。県警は同日、現場で実況見分を始めた。
寺から約500メートル先に住む男性(86)は、檀家(だんか)として寺の法事に参加していたという。男性は「歴史のある寺で、檀家も約180戸と多い。(住人の)安否を心配している」と表情を曇らせた。近所の女性(72)は、この家には小学生のきょうだいが住んでいたと話し、「いつもお母さんが小学校まで送り迎えしていた。早く見つかってほしい」と語った。
浄土真宗本願寺派本願寺山口別院(山口市)や山口県寺院沿革史によると、正琳寺は400年以上の歴史がある。現場は下関市役所から北に約20キロにある漁業が盛んな地域。周囲は民家が並び、近くには川棚温泉がある。
下関地方気象台は18日から同県内全域で乾燥注意報を発表しており、出火当時も継続中だった。