高市早苗首相(自民党総裁)は25日の参院本会議で、同党の全衆院議員にカタログギフトを配布したことについて「法令上、問題はない」との認識を示した。計315人に対し、1人当たり約3万円分を配ったと明らかにした。野党は「政治とカネ」を巡る自民の体質が表れているとして批判を強めた。
政治資金規正法は、個人から政治家個人への政治活動に関する寄付を禁じている。首相は自身が代表を務める党奈良県第2選挙区支部の政治資金から支出したと説明。「政党支部から議員個人への寄付だ」と述べ、法に抵触しないとの考えを強調した。立憲民主党の田名部匡代幹事長への答弁。
複数の自民関係者によると、8日投開票の衆院選後に首相の秘書が所属議員の事務所を訪れ、カタログギフトを配布。肩書のない「高市早苗」名を記した「のし紙」が付けられていたという。首相は答弁で「厳しい選挙を経て当選したことへのねぎらいを込め、議員活動に役立ててほしいと考えた」と語った。
自民では昨年3月、当時の石破茂首相が2024年衆院選で初当選した15人に10万円相当の商品券を配布。石破氏は陳謝に追い込まれ、議員側は返却した。
野党は国会で追及する構えだ。中道改革連合の小川淳也代表は代議士会で「ギフトを党内にばらまく自民の体質は看過できない」と指摘。国民民主党の古川元久国対委員長は記者会見で「誤解を受ける軽率な行動は慎むべきだ」と述べ、首相が説明責任を果たすよう求めた。立民の水岡俊一代表は「懲りない人たちだ。政治とカネの問題をまた引き起こした」と指弾した。
自民内からも「法的に問題なければいいというものではない」(ベテラン)などと疑問の声が上がった。幹部の一人は「石破首相のことがあって1年だ。何をやっているのか」と不快感を示し、日本維新の会の幹部も「商品券問題から何も学んでいない」と語った。 [時事通信社]