国民民主党が高市政権と距離を取り、新たな立ち位置を模索し始めている。玉木代表は「対決より解決」を掲げ、「年収の壁」の引き上げなどでは政府・与党との連携で政策実現を図ってきたが、25日の国会審議では高市首相に厳しく迫り、独自政策をアピールする姿勢を鮮明にした。(薦田大和、森山雄太)
「心配な点が多々あるので懸念を10個申し上げる。誠実な答弁をお願いしたい」。玉木氏は25日の衆院代表質問でこう訴え、消費税減税を巡って首相への追及を始めた。
国民民主は物価高対策としての消費税減税に反対の立場だ。玉木氏は実施時期などを矢継ぎ早に問いただし、消費税減税の課題をあぶり出した上で給付付き税額控除の検討先行を求める戦略だったが、首相は言質を与えなかった。
玉木氏からの「つなぎの減税なら住民税の控除額を引き上げるべきだ」との提案に対しては、首相は「有力な手法の一つとして国民会議で一緒に議論しよう」と切り返した。
昨年11月の党首討論で「年収の壁」引き上げを巡り「一緒に関所を越えていきましょう」と呼応した蜜月ぶりは見られなかった。
玉木氏は、この日の首相答弁を踏まえて国民会議への参加可否を判断する構えだった。代表質問後、記者団には「消費税減税の懸念が詰まっていないのが正直な印象。もう少し見定めたい」と述べるにとどめた。
首相と一定の距離を取るのは、政府・与党との接近で「政策の同質化が進み、新しい軸を打ち出しづらくなっている」(中堅)との懸念が国民民主内で強いためだ。衆参両院の合計議席では中道改革連合を上回る「野党第1党」として独自色を示せば存在感の発揮につながるとの狙いもある。
一方、与党は参院で少数のままで、2026年度予算案の早期成立に向けて国民民主の協力に期待する向きが強い。玉木氏は昨年12月には予算案への賛成を示唆したが、この日は記者団に「しっかり予算委員会で議論することが大事だ」と述べ、方向性は示さなかった。世論の動向や審議状況を見極め、慎重に対応を検討する方針だ。