昨年10月31日、26年前に名古屋市西区のアパートで住人の主婦、高羽奈美子さん(当時32)が殺害され、未解決となっていた事件が急展開を迎えた。被害者の夫の学生時代の同級生だった女が逮捕され、大きな話題となった。【前後編の後編。前編から読む】
「日々、多くの事件が発生する中で警察は人知れず過去の未解決事件も捜査を進めています。東日本大震災が発生した翌年の2012年、宮城県警の管轄下では殺人事件が相次ぎ、うち3件が未解決となっています」(大手紙社会部記者)
その1つが前編で報じた2012年3月30日に発生した岩沼市の長田クニ子さん(当時65)刺殺事件だ。当時の新聞報道などによると、首などを切り付けられた長田さんが、自宅玄関で倒れているところが見つかった。玄関の外には血痕のついたスニーカーの足跡が見つかっているが、途中で途絶えていることから犯人は車で去ったと見られている。
「一見、証拠があるようにも思えますが、長田さんは携帯電話が未契約だったり、交友関係が少なかったりしたことから、県警は生活実態を把握することに難航しました。周囲に防犯カメラも少なく、犯人につながる手がかりが非常に少なかった。
この事件の翌月に発生した武田忠さん(当時60)が殺害された事件も、同様に手がかりが少ない難事件です」(同前)
2012年4月24日午後2時15分ごろ、仙台市泉区の病院の駐車場で軽乗用車が突如、燃え始めた。その車中から武田さんの遺体が発見されたのだ。
「武田さんは、出火した軽自動車の後部座席に倒れた状態で発見されており、運転席窓ガラスを除いて、新聞紙により目張りされた状態でした」(宮城県警)
武田さんの遺体を司法解剖したところ煙を吸っていなかったことから、すでに殺害されており、車内に遺棄されたとみられる。そして、何者かが軽乗用車に火をつけた。
「頸部損傷の疑いがあり、複数回にわたる鈍体(鋭い刃などがついていない物体)の打撲もしくは圧迫によるものと推定されます。しかし素手なのか凶器を使用したのかなどの特定には至っておりません」(同前)
病院には通院などで多くの人が出入りしていた。目撃者がいそうなものだが、決定的な証言はなかったようだ。そして犯行は計画的だった。当時の新聞報道によると、指紋や駐車場への入庫記録を隠すためか、駐車券は残されていなかったという。
「車を覆っていた新聞はスポーツ紙で、事件前日に武田さんが買ったものだったようです。23日昼すぎ、内縁の妻とコンビニの駐車場で弁当などを食べ、この後、武田さんは行方不明になった。帰宅予定の夕方にも帰宅しなかったことや遺体の状況から、この間にすでに事件に巻き込まれたと見られます。