本誌・週刊ポスト前号(2026年2月14日発売号)で報じた参政党への潜入ルポには大きな反響が寄せられた。そうしたなか、神谷宗幣代表からの反応は、”除名処分”というものだった。参政党はどのような動きを見せたのか――。党員として5か月にわたって活動したジャーナリスト・横田増生氏が、除名をめぐる全内幕を明かす。(文中敬称略)【シリーズ・第5回】
除名通告から離党完了まで5分
自宅で原稿を書いていた私が、同業者からのLINEに気づいたのは、午後5時前のこと。
LINEには参政党のX(旧・ツイッター)の公式アカウントのリンクだけが貼ってあった。リンクを踏むと、「本党に潜入した週刊誌記者に対する党員除名処分のお知らせ」と出てきた。
「A氏は、近時、潜入取材に基づき週刊誌記事を執筆公開し、YouTubeチャンネルにおいても潜入取材結果を公表致しました」「本党運営及び党員活動に重大な悪影響を与えたため、本党は令和8年2月20日付でA氏を党員から除名したことをお知らせ致します」
A氏とは、私のことであり、週刊誌記事とは、前号で書いた「参政党『神谷王国』潜入ルポ」だ。YouTubeチャンネルとは、私がゲストとして出演し、潜入取材について語った《元文春記者チャンネル》を指している。
参政党がXに投稿したタイムスタンプを見ると午後4時3分とあった。慌ててメールを開いた。
「除名通告」というメールが、午後4時ちょうどに届いており、神谷宗幣の名前が記された文書が添付されていた。
そこには、潜入記を書いたことが、「党の規律を乱す行為」であり、「その他党員としてふさわしくない行為」であるため、「ボードの議決に基づき(中略)処分を行う」という党則を適用して、除名にする、と書いてあった。
その5分後に、「離党・退会完了」というメールが届いていた。
「この度は参政党にご参加いただき、誠にありがとうございました。また、これまでの参政党の活動へのご支援やご協力に、深く感謝申し上げます。/またのご参加を心よりお待ちしております」という謎の文章まで添えられていた。
通告から除名までわずか5分だった。
とはいえ、除名処分は、初めから織り込み済みだ。同じような経験をしたのは、ちょうど10年前のこと。
私が書いた書籍『ユニクロ帝国の光と影』が、ユニクロから名誉毀損で訴えられ、2億円超の賠償を求められた。その後、裁判で完全勝訴した後も、私の取材を拒み続けるユニクロに1年間にわたる潜入取材を敢行。辞めないまま、週刊文春に潜入記を発表した。