野村証券元社員の30歳男に懲役18年判決 2600万円強殺未遂・放火 広島地裁

令和6年7月、広島市西区の80代女性に睡眠薬を飲ませて昏睡(こんすい)状態に陥れ、現金計約2600万円を奪い女性宅に放火したとして、強盗殺人未遂や現住建造物等放火などの罪に問われた野村証券元社員、梶原優星被告(30)の裁判員裁判判決公判が3日、広島地裁で開かれ、角谷比呂美裁判長は懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。
被告は事件当時、同社広島支店の営業担当社員(後に懲戒解雇)。投資に失敗して生じた2千万円の累積損失を埋める目的で犯行に及んだ。公判では「昏睡状態に陥れ、殺害しようとはしていない」と主張しており、同罪の成否が主な争点だった。
検察側は、被告が睡眠薬の作用を認識した上で「家を燃やし、殺害して罪証を隠滅しようとした」と指摘。「大手証券会社の信頼を利用した悪質な犯行」に及んだ点などを考慮し、同種事案と比べても重い部類に入るとして求刑懲役20年が妥当とした。
対する弁護側は、睡眠薬の投与について「盗みを悟られないよう動きを遅くしようとした」と昏睡させる意図を否定。女性の証言を基に、放火からほどなく火災に気付いた可能性を挙げ「人を刺す、拳銃で撃つのと同じ危険性はなかった」と訴え、強盗殺人未遂罪について無罪を求めていた。
起訴状によると、梶原被告は6年7月22~24日ごろ、女性宅から現金計約800万円を窃取。また同28日、女性に睡眠作用のある薬物を服用させて昏睡状態にさせ、現金約1800万円を盗み、放火して殺害しようとしたとしている。