「世界に発信するに値する」山形の魅力とは 国内外メディアが絶賛、海外客誘致へPR

国内外のメディアから2025年秋以降、相次いで高い評価を受けた山形県内が活気に沸いている。日本の英字紙ジャパンタイムズは「世界に発信するに値する自治体」として山形市を選定。米旅行誌ナショナルジオグラフィックも「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に山形県を国内で唯一選んだ。関係者は波及効果を期待し、海外の観光客誘致に向けてPRや多言語表示に取り組む。(共同通信=中村茉莉)
山形市は2025年に創設された「ジャパンタイムズ・デスティネーション・リージョン」の第1号。「地域の文化的・歴史的背景を大切にし、次世代に伝える努力をしている」「持続可能なコミュニティーのあり方を追求している」などのポイントで自治体の取り組みを評価し、単なる観光情報の発信とは一線を画して今後も毎年1自治体を選ぶ。
山形市は戦火や震災に遭わず残った城下町を歩いて暮らす街として再生しようとする施策のほか、文化活動拠点や子育て施設が充実している点などを評価された。2025年11月に市内で開かれた表彰式で、選定のアドバイザーを務める日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員は「山形は一歩他の街に抜きんでているところがある」と称賛した。
市は目指す将来像を「歩くほど幸せになるまち」として、中心市街地の歩行者増加に取り組む。芸術分野のイベントも多く、2年に1度開かれる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」は世界各国の映像制作関係者が集まり活発に議論を交わすことで知られる。山形交響楽団は設立50年を超え、ファンの支持も厚い。
ナショナルジオグラフィックは山形県を「東京から320キロほどの距離にもかかわらず別世界のような静けさを保ち、混雑を避けて伝統と神秘的なアウトドア体験ができる」と評価。蔵王の樹氷や、山岳信仰と山伏で知られる出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)などを紹介した。
山形市の佐藤孝弘市長は海外からの熱視線に「もっと磨いてブランドにしたい」と意気込む。春から初夏にかけては名産のサクランボも旬を迎える。高まる注目が山形のさらなる追い風となりそうだ。