関心は高いけど…「産後ケア」、利用率は3割 経済格差が影響か

出産後の母親に対して心身のケアや育児相談などの支援をする「産後ケア」の認知度は高まっているが、利用率は3割程度にとどまる――。そんな育児についての実態が民間調査で明らかになった。利用率は年収の高い層ほど高く、経済面での格差が利用の可否に影響している可能性があるという。
調査は2025年9月、ベネッセコーポレーションが運営する出産・育児メディア「たまひよ」が、生後1歳6カ月までの子どもをもつ母親、父親を対象にインターネット上で実施。2062人(母親1649人、父親413人)から回答を得た。
妊娠・育児に関連して印象に残ったニュースやキーワードを尋ねたところ、母親の38・3%が「産後ケア」に関心を寄せ、選択肢の中では2番目に多かった。最も多かったのは母親、父親ともに約半数が挙げた「年間出生数70万人割れ」だった。
産後ケアは出産後、慣れない育児に疲れてしまいがちな母親のために授乳指導や育児相談といったサポートをするもので、母子保健法の改正により21年から産後ケア事業の実施は市町村の努力義務となった。
支援は、病院などで宿泊による休養の機会などを提供する「宿泊型」▽日中に来所した利用者に対して支援する「デイサービス型」▽担当者が利用者の自宅に赴く「アウトリーチ型」――がある。
産後ケアを知っているのは母親が96・6%、父親も86・4%と非常に高水準だった。一方で「利用した・利用予定」の母親は31%にとどまった。
利用率を世帯年収別にみると、1000万円以上=50・5%▽800万~1000万円未満=40・5%▽600万~800万円未満=28・2%▽400万~600万円未満=28・3%――で年収が高いほど利用率も高く、世帯の経済力や情報に接する機会で格差が生じることが推察されるという。
調査結果を掲載している「たまひよ白書 2026」によると、都市部を中心に里帰りをせずに自宅で産後を乗り切る傾向が進んでおり、25年は約6割が「最初から里帰りを計画しなかった」と回答。身近に頼れる人が少ないという点で、産後ケアへの関心の高さにも直結したとみられる。
米谷明子・たまひよ統括編集長は産後ケアへの関心が高い一方で利用率が低い点について「産後すぐの育児の負担が大きいことの表れでもあり、利用者が少ないのは出産を経たママが休養をしたり、育児へのサポートを受けたりすることに抵抗を感じているからだと考える」と指摘。「休んでいいんだよと背中を押す雰囲気が世の中に流れていくことを心から願います」とコメントした。【木原真希】