小沢一郎氏が明かす、自民圧勝の陰で見えた“高市政権の弱点”「最大のアキレス腱は過半数割れの参議院。否決された法案を衆議院で再可決しようものなら人気も終わる」

先の衆院選では高市早苗首相率いる自民党の圧勝により、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合では、大物の落選が相次いだ。そのうちの一人が過去に二度の政権交代を実現した”政界の壊し屋”こと小沢一郎氏(83)だ。議員生活56年目にして味わった、まさかの敗北に、何を思うのか。そして政治家人生には終止符を打たず、「現役続行」を宣言した真意とは。フリージャーナリストの城本勝氏が問うた。(文中一部敬称略)【第3回】
高市政権のアキレス腱は参議院
行き詰まった結果、石破政権は退陣、後を継いだ高市首相が、今度は多数の回復を大義名分にして、解散・総選挙に打って出て大勝した。衆議院の3分の2を超える圧倒的多数となった与党を前に、立ちすくんだようにも見える野党だが、小沢は、その圧勝の陰に高市の弱点も見えたと言う。
「うん、表面的には衆議院は自民が圧勝した。ところが僕は、『あ、高市政権は、これでもうダメだな』と気づいたことがあったんです。この間の首班指名の時、一発で過半数を取ると思っていたところ、過半数取れなかった。そこで、はっと気がついた。高市政権の最大のアキレス腱は参議院なんだと。衆議院でいくら議席を持っていても参議院で過半数取れてないんだから、ものすごい不安定さは石破政権と変わりない。
つまり衆議院で数があるからといっても、高市君は無茶をできないんです。安全運転をすれば、その間はなんとか政権が持つと思います。だけどね、例えば、防衛増税なんかを参院で否決され、それを衆院の3分の2の再議決で通すなんてやったら、高市人気もいっぺんになくなる。つまり参議院で過半数がないというのは、最大の不安定要素なんです」
その参議院の首班指名で、立憲に所属する小沢グループの5人が、1回目の投票では執行部の意向に反して、中道の小川淳也代表に入れなかった。決選投票となった2回目は、野党の立場から小川氏に投票したが、執行部からは「造反」だと厳しい処分を求める声も出ている。背後に小沢氏の指示があったと見て、野党の結束を更に乱すものだと批判する議員もいる。
「あれは造反じゃない。筋道を通しただけです。参議院は中道に合流しないと言っているのに、首班指名で中道の小川君に入れるのはおかしい。しかも決選投票ではちゃんと小川君に入れている。何の問題もないでしょう。
いずれにしても参院で一致した行動を5人の議員がとった。一人地元の事情で今回は参加しなかったけど、参院で6人いる。これはものすごく大きい力だ。高市君は、実際に問題に遭遇しなければ分からないだろうが、法案を参院で否決されたら、衆議院で再可決なんてできません。そんな強引なことをすれば、高市人気はおしまい。だから参議院の過半数割れっていうのは大きいんです。