17日午前1時20分頃、青森県三沢市の三沢漁港から北東に約20キロの沖合で、漁船が貨物船と衝突して転覆していると、貨物船の船長から118番があった。漁船の乗組員の男性13人全員が海に投げ出され、いずれも救助されたが、4人は意識不明。残る9人は命に別条はなく、貨物船の乗組員6人にけがはないという。漁船は沈没したとみられる。
八戸海上保安部の発表によると、衝突したのは同県八戸市の興富(こうふく)丸漁業所属の底引き網漁船「第六十五興富丸」(140トン)と、広島県呉市の船越海運所属の貨物船「末広丸」(748トン)。事故当時、現場の海域は南西の風7メートル、波の高さ1メートルで、波浪注意報が出ていたが、晴れていて見通しは良かった。末広丸はかんらん岩を積んで苫小牧港(北海道苫小牧市)から千葉県に向かう途中だった一方、第六十五興富丸の状況は確認中で、八戸海保は衝突の経緯を調べている。
衝突後、第六十五興富丸の乗組員のうち9人は間もなく救助され、一時行方不明になった4人も午前7時頃までに、貨物船の救助ボートや八戸機船漁協の漁船に順次救助された。救助活動に参加した漁師の男性(73)は「早く行かないとという一心で船を出した。どうにか助かってほしい」と心配そうだった。
興富丸漁業の秋山貴志社長(46)によると、意識不明の4人は60~70歳代だという。秋山社長は貨物船に衝突されたとの認識で、「相手側が見張りなどで、気をつけていれば起きなくてもいい事故だったんじゃないか」と話した。同漁協の田村亘常務理事(58)は「見通しのいい状況で、(衝突するのは)まずありえない。なぜ事故が起きたのか知りたい」と語った。