16年前の神戸・高校生刺殺事件 元少年に約9600万円の賠償命じる判決 両親の監督責任は認めず 神戸地裁

16年前、神戸市で高校2年生の男子生徒を殺害した元少年とその両親に対して、遺族が損害賠償を求めた裁判で、19日、神戸地裁は元少年に対して、約9600万円の支払いを命じました。一方、堤さんの遺族側が主張していた元少年の両親に対する「監督責任」などについては認められず、両親に賠償は命じられませんでした。
2010年10月、神戸市北区の路上で、堤将太さん(当時16歳・高校2年生)は、交際していた女子中学生と話していたところ、男に刃物で刺され死亡しました。男は現場から逃走し、堤さんの両親らが事件解決の手がかりを掴もうと情報提供を求め続けた末、11年後の2021年8月、事件当時17歳だった元少年が殺人の疑いで逮捕されました。
一審の神戸地裁は2023年、殺意と完全責任能力をともに認め、懲役18年の判決を言い渡しました。被告側は控訴していましたが、二審の大阪高裁でも一審の判断は相当であるとして控訴を棄却。さらに被告側は最高裁に上告したものの、最高裁がこれを棄却する決定を出したことで、懲役18年の判決が確定していました。
堤さんの遺族はおととし、元少年とその両親に対しておよそ1億4900万円の損害賠償を求めて民事裁判を起こしました。両親については監督する義務を怠ったなどとしました。
これまでの裁判で、堤さんの遺族は「息子の命を突然、理不尽な形で奪われた。被害者及び遺族を冒とくしている、裁判自体を冒涜しているとしか思えない」などと訴えていて、これに対し、元少年の両親側の代理人は「家族に対して暴力をふるったことはなかった。逮捕されるまで事件を起こしたことを知らず、犯行を予測することはできなかった」などと主張していました。
19日の判決で、神戸地裁は元少年に対し、堤さんの両親に9300万円、堤さんのきょうだい3人にそれぞれ110万円ずつ、合計9630万円の支払いを命じました。一方、かねてから主張していた元少年の両親に対する監督責任等については、「客観的にみると、被告少年の逃亡に寄与したと言え、検挙が遅くなった一因であると言える。しかし、被告両親らにおいては少年の犯行であることを疑いつつも確定的に認識していたとまではいえない」として、両親には賠償は命じませんでした。