中国に向き合うために必要なのは、大国化した中国をタイムリーかつ高精度に分析するための、データに基づく計測とそれを支える知的インフラである。日本は分厚い中国観察の蓄積がある一方で、こうした独自データの収集と分析は薄弱だ。
【詳報記事】日本は対中分析のベースになる「データ」が圧倒的に不足/アメリカやオーストラリアにあって日本にはない視点
アメリカのデータ収集基盤の分厚さ
ではどうするべきか。まず必要なことは、組織的なデータ収集の強化だ。
この面で目を引くのは、アメリカのデータ収集基盤の分厚さである。例えば、アメリカン・エンタープライズ研究所が運営する中国グローバル投資トラッカーは、中国の対外直接投資案件を長期にわたり追跡している。対外融資では、ボストン大学の研究チームが中国対外開発金融データベースを構築し、政策銀行融資の実態を可視化してきた。
ウィリアム・アンド・メアリー大学のグローバル中国開発金融データセットは、中国の対外援助・融資をプロジェクト単位で整理し、国際機関や各国政府も参照する標準的基盤となっている。貿易データが国際機関をはじめとして広く公開されているのに対して、中国の対外投資と対外援助に関しては、明らかにアメリカの機関が基礎データを作り出している。
日本に欠けているのは何か。その急所を解説した詳細記事は<日本は対中分析のベースになる「データ」が圧倒的に不足/アメリカやオーストラリアにあって日本にはない視点>をご覧ください。
(伊藤 亜聖:東京大学社会科学研究所准教授)