1966年に福岡市で起きた強盗殺人放火事件で死刑が確定した尾田信夫死刑囚(79)の第7次再審請求審で、福岡地裁(井野憲司裁判長)は24日、請求を棄却する決定を出した。弁護側は決定を不服として福岡高裁に即時抗告する方針。
確定判決によると、1966年12月、当時20歳だった尾田死刑囚は元勤務先の福岡市の電器店「マルヨ無線川端店」に当時17歳の元少年(懲役13年が確定)と押し入り、店員2人をハンマーで殴るなどして重傷を負わせ、約22万円を奪った。逃走時に石油ストーブを倒して放火し、店員1人を焼死させた。死刑判決を受け、70年12月に確定した。
尾田死刑囚は、強盗目的でけがを負わせたことは認める一方、控訴審からは放火については無罪を主張。判決が確定して以降、再審請求を繰り返し、いずれも棄却されている。死刑確定後、55年以上執行されておらず、最も長く収容されている死刑囚となっている。
第7次請求審で弁護側は、ストーブが倒れていなかった可能性を示すとするストーブの画像を分析した鑑定書を新証拠として提出。また、検察側から開示された火災の再現実験の映像も提出し、「燃えやすい材木を使った実験で証明力がない。放火したという事実に合理的な疑いが生じている」と主張した。
決定は鑑定書などについて「放火の認定に合理的な疑いを抱かせるとは認められない」と判断した。