群馬県桐生市宮本町の吾妻公園で4日に始まる恒例のチューリップまつりが、花のない状態で開かれることになった。球根約1万個がシカによる食害で全滅したためだ。花苗の配布や写生大会などのイベントはあるが、主催する公園は「開花を楽しみにしてくれた市民に申し訳ない」としている。
今年で62回目となるまつりではこれまで、園内14か所の花壇を約1万本のチューリップが彩り、毎年約3万人の人出でにぎわった。
公園は、ハイキングなどを楽しむ人も多い吾妻山(481メートル)の麓にある。公園の管理事務所によると、昨年もまつりの前に球根の約3割をシカに食べられた。対策として、高さ2・5メートルのフェンスなどで侵入路をふさいだり、シカがにおいを嫌う木酢液を花壇の周囲にまいたりしたが、今年も2月下旬から被害が出始め、3月20日頃にほぼ全ての球根が食べられたという。管理事務所の担当者は「夜中に山から下りてきて掘り起こし、球根と芽を丸ごと食べられてしまった」と肩を落とす。
市によると、市内のシカは増加傾向で、2015年度に199頭だった捕獲数は24年度には693頭に増えた。
シカは山の斜面から柵を跳び越えて花壇に侵入するとみられる。管理事務所は市と相談し、さらに柵を高くすることを検討している。