【イラン攻撃5週間】海に浮かぶ巨大なタンク…世界初の「洋上石油備蓄基地」は今 石油の供給不安に日本政府はどう対応?

アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まってから5週間…未だ停戦への出口は見えず、中東情勢の悪化は世界経済に打撃を与えています。石油の供給への不安が高まる中、先月から始まった政府による国家備蓄の放出の現場は、今どのような状況なのか。離島の備蓄基地を訪ねました。
(「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」4月4日放送)
長崎県の佐世保港からフェリーで約2時間半の位置にある五島列島・中通島。海上に浮かぶ白色の巨大なタンク…「上五島国家石油備蓄基地」です。1988年に完成した世界初の洋上石油備蓄基地で、日本のエネルギー安全保障を支える重要施設です。こうした石油備蓄基地が日本国内に複数あり、先月26日から政府による備蓄原油の放出が行われています。
橋本フィールドキャスターが「上五島国家石油備蓄基地」を訪れると、タンクから白いパイプを使って、接岸しているタンカーに石油を積み出す作業が行われていました。今月中に、この備蓄基地から約130万キロリットルが放出される見込みです。本来であれば、タンカーはこの日に出港する予定でしたが、悪天候のため、翌日に延期されました。出港後、タンカーはエネオス大分製油所に向かい、精製されて出荷される予定です。
政府は全国11か所の備蓄基地で放出を行っていて、その量は国内消費の約1か月分にあたる850万キロリットルです。すでに「民間備蓄」15日分の放出も行われていて、あわせた放出量は過去最大規模となります。ただ、アメリカ・イスラエルとイランによる攻撃の応酬が続いていて、原油供給の先行きは依然として不透明です。赤沢経済産業相は3日の記者会見で、国民に対して、どの段階で節約の呼びかけを考えるのかについて問われた際、「現状では石油需給に影響が生じているとは認識していない」としながらも、「今後の国際的な需給や価格動向も踏まえつつ、あらゆる政策オプションを検討したい」と述べました。
漁業の現場は悩まされています。中通島の漁師に話を聞きましたが、漁船の燃料となる重油の単価が跳ね上がり、漁に出るだけで赤字になる状況だといいます。そのため、本来1時間で到着する漁場に、燃料を節約して2時間かけて行ったり、近場で漁を済ませたりするなどの対応をとっているということです。このまま燃料の高騰が続けば、漁を続けること自体が難しくなると話すなど、戦闘の長期化による影響は日に日に深刻さを増しています。
読売テレビ「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」
(2026年4月4日放送分を再編集)