「グッドイナフ先生が受賞されたことを大変うれしく思う」
2019年のノーベル化学賞受賞が決まった旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)と共に、有力候補とされていたのが東芝研究開発センターの水島公一エグゼクティブフェロー(78)だ。やはり受賞が決まった米テキサス大のジョン・グッドイナフ教授(97)の共同研究者だった水島さんは、9日夜に出したコメントでグッドイナフさんをたたえた。
水島さんは東大助手として、金属酸化物の磁性の研究をしていた際、英オックスフォード大にいた旧知のグッドイナフさんに誘われ、1978年から2年間留学した。エネルギーの枯渇問題などが世界で注目され始めていた時期で、繰り返し充電できる2次電池を研究。その年にリチウムイオン電池の正極として「コバルト酸リチウム」が使えることを発見した。
正極にこれを使った吉野さんは、負極にポリアセチレンが有効なことを見いだし、製品化を実現。水島さんの成果がなければ、今日のリチウムイオン電池はなかったかもしれない。
水島さんはコメントで「リチウムイオン電池の実用化には、さまざまな研究成果の積み上げがあり、その一部に関わることができ、世界の人々の生活に貢献していることを共同研究者の一人として、大変光栄に思う」とつづった。【荒木涼子】