2024年1月の日本航空機と海上保安庁機による羽田空港での衝突事故を巡り、運輸安全委員会は17日、日航機の客室乗務員が使う手持ちの拡声機の性能が避難指示の伝達に不十分だったと発表した。国土交通省は情報提供を受け、航空各社に高出力の製品の使用を検討するよう要請した。
事故では、着陸してきた日航516便(エアバスA350型機)が、滑走路上に停止していた海保機に衝突。海保機では5人が死亡し、日航機は乗客乗員379人全員が脱出した。
運輸安全委は昨年5月、日航の同型機を使った再現実験を行い、避難状況を検証。その結果、同じ型の拡声機では離れた場所にいると脱出指示が聞き取れない箇所があったという。
事故当時、客室乗務員の中には拡声機の効果が低く、肉声に切り替えたケースがあったことも判明している。この拡声機はほかの航空機でも広く使用されていることから、運輸安全委は国交省に情報提供した。
同省は17日、航空各社に対し、機内放送が使えない場合でも迅速に脱出できるよう、効果的な伝達手段を検討することも要請した。