再審見直し、法務省案に批判=袴田ひで子さん「抗告なし、証拠出せ」―東京

有罪が確定した刑事裁判をやり直す再審制度の改正を巡り、冤罪(えんざい)被害者らが18日、法務省が成立を目指す法案に反対する街頭活動を東京のJR渋谷駅前で行った。静岡一家4人殺害事件で死刑となり、再審で無罪が確定した袴田巌さん(90)の姉、ひで子さん(93)が参加し、「(再審開始決定に対する検察の不服申し立ての)抗告はなしにして、証拠は全部出す(べきだ)」と訴えた。
法務省は捜査機関保有証拠の開示を限定し、再審請求手続き長期化の要因と指摘されている検察の抗告権を温存する内容の法案を国会に提出する構え。事前審査をしている自民党などから反対意見が続出し、与党の了承を得られる見通しが立たない異例の事態となっている。
福井女子中学生殺害事件で有罪となり服役し、再審で無罪となった前川彰司さん(60)は「警察、検察が証拠を隠している。腐敗は相当進んでいる」と強く批判した。
滋賀県の日野町事件で無期懲役となり、服役中に病死した阪原弘さん=当時(75)=の長男、弘次さん(65)も駆け付け、「父は家に帰りたいと願いながら亡くなった」と語った。同事件は再審開始が今年2月に確定し、死亡した阪原さんに無罪が言い渡される公算だ。
元検察官の壬生隆明弁護士もマイクを握り、「検察は抗告にこだわり、証拠開示には後ろ向き。検察の論理は国民の論理ではない」と指摘した。 [時事通信社]