人手不足に悩める保育施設、短時間・単発の「スポット保育士」を4・6%が雇用…「抵抗ある」保護者の声も

短時間や単発で働く「スポットワーク」の保育士について、全国約1万の保育施設の4・6%が雇用していたことが、こども家庭庁の初の実態調査でわかった。子どもとの関係性などへの懸念から活用に消極的な施設が多い一方、人手不足で頼らざるを得ない施設がある実情も浮き彫りとなった。(藤井有紗)
理由「人員確保」が5割超
同庁は、保育士1人が見る園児数を定める「配置基準」について、保育の継続性などの観点から、保育士の定数にスポット保育士を含めるのは望ましくないとの見解を示している。やむを得ず雇用しても担わせるのは補助的業務にとどめるよう、各施設や自治体に求める通知を近く出す方針。
調査は昨年10~11月、スポット保育士の雇用状況や担当業務などを確認するため、全国の保育所や認定こども園などの約8万の保育施設と全自治体を対象に行われ、9854施設と917自治体から回答を得た。
結果によると、過去1年間にスポット保育士を雇用したことがあると回答した施設は4・6%だった。雇用した施設からは「毎回初めて勤務する人が多く、子どもと関係を築きにくい」「普段とは違う職員がいることで、保護者に不信感を与えてしまう」などの課題が指摘された。
雇用した施設に複数回答で理由を尋ねたところ、「保育業務に必要な人員確保」が56・7%で最多となった。「より手厚い配置にするため」が41・7%、「従業員の急な欠勤対応」が39・7%で続いた。担当させたのはクラス担任以外の保育や清掃や片付けなどの補助的業務が目立ち、クラスを担任する保育は8・3%にとどまった。
運営する認可保育所などでスポット保育士の雇用を認めているのは、回答した882自治体のうち14・3%だった。保育士の定数にスポット保育士を含めることを認めているのは、回答した353自治体の5・4%だった。
今回の調査結果に、東京都江戸川区の認定こども園「プレスクール仲よしこども園」の宇田川里紗施設長は「雇用した施設が4・6%あるのは多いと感じる」と驚く。見知らぬ保育士がいると子どもは落ち着かないといい、「雇いたくなくても頼らざるを得ない施設もあるのだろう」と話す。
都内の認可保育所に4歳の長女を通わせる会社員(33)は「人手不足の中、活用する施設があるのは理解できるが、知らない保育士のいる施設に子どもを預けるのは抵抗がある」と明かした。