北海道小樽市にある朝里川温泉スキー場で2025年12月、当時5歳の男の子がベルトコンベヤー式のエスカレーターに右腕を挟まれ死亡した事故で、第三者委員会が調査報告書を発表しました。
事故の要因は「現場責任者による安全装置の無効化」の可能性があるということです。
事故があったエスカレーターは、駐車場とゲレンデを結ぶために設置されたもので、男の子は終点付近でしりもちをつき転倒し、ローラーとベルトの間に右腕が巻き込まれました。
男の子の死因は窒息死で、腕とともに衣服も巻き込まれ、首を圧迫したとみられていています。
報告書によりますと、事故が発生したエスカレーターには4つの自動停止機能と、手動の緊急停止スイッチが備えられていましたが、現場責任者はこのうち3つの安全装置について、これまでに無効化(正常に機能しない状態)したことがあり、事故当日は1つを無効化していたと説明していることが分かりました。
しかし報告書では、エスカレーターに問題がなかった場合、男の子が転倒し安全蓋が開いた時点でベルトが緊急停止していたはずであり、実際には男の子の腕が安全蓋奥のベルトとブラシの間に挟まれたことから、ほかの安全装置は稼働していたとする現場責任者の話には疑義があるとしています。
大雪による雪詰まりでセンサーが頻繁に誤作動したり、エスカレーターが停止した際に利用者から「早く動かせ」と要求されるケースが相次ぎ、現場では安全よりも稼働率や作業効率を優先し、安全装置の一部を無効化していたということです。
また、事故発生後から警察の捜査が始まるまでに、無効化されていた設定を元の状態に戻した可能性を指摘する証言が存在するということです。
スキー場は2019年、中国メーカーのエスカレーターを日本の正規代理店を通さず中国から直接輸入していました。
正規代理店を通した場合、高額な仲介手数料が必要なところ、直接輸入であればコストが抑えられることなどが理由でしたが、2019年8月に北京の工場で現場責任者が講習を受けた際、通訳の質の低さなどから十分な情報を得られていなかったということです。
取扱説明書は中国語のみで、日本語の公式な取扱説明書がなく、現場スタッフが安全装置の正確な仕様や調整方法などを理解していなかった可能性があるとしています。
警察は、業務上過失致死の疑いで捜査を続けています。