「突然、水が出なくなる」――。
全国で相次ぐ突然の断水。集合住宅を中心に水道メーター盗難被害が拡大しています。その背景には、新たなインフラ犯罪が潜んでいました。
2026年4月20日、東京都は公式Xで「突然、水が出なくなった場合には、水道局お客さまセンターまでご連絡ください」という異例の注意喚起をしました。「突然、水が出なくなる」とは一体どういうことなのでしょうか。
東京都水道局の担当者に話を聞くと、どの家庭にも設置されている水道メーターが盗まれたといいます。2026年4月、町田市内の集合住宅で合わせて31個の水道メーターが盗まれていることが判明し、被害総額は約14万円に上るということです。
(多摩水道改革推進本部・武井豊 課長)
「水道メーターは、水道管がつながっていて、一部のような形になっています。水道メーターを外すと、水道管が分断されて外されたお部屋の方は、水が出なくなります」
実は水道メーターを狙った盗難は、全国各地で相次いでいます。山口県下関市では、浄水場で金属スクラップとして売却するために屋外で保管されていた水道メーターが被害に遭いました。その数なんと1341個、被害額は約46万円になるといいます。
(下関市上下水道局総務課・日田雅彦 係長)
「想定外のことが起きているので、ビックリしています。保管場所に行くまで2か所の施錠、周囲は金網の柵がしてあり、有刺鉄線もあるので…」
犯人はなぜ水道メーターを盗んだのでしょうか。
(水ジャーナリスト・橋本淳司氏)
「現金化したいというのが目的だと思います。メーターの黄金色に光っている部分が砲金・青銅になっていて、非常に純度の高い銅製品なんです」
銅の価格はここ数年上昇を続けており、9年前の約3倍に。水道メーターには、『砲金』と呼ばれる銅の合金が使われていて、その買い取り価格も上昇しているといいます。
水という大事なインフラを脅かす水道メーターの盗難。そこには、集合住宅が狙われやすいという特徴がありました。
兵庫県姫路市では2026年4月22日、県営団地で、水道メーターの盗難が発覚しました。いずれも、空き部屋の玄関横に設置されていたもので、29個盗まれたといいます。
また大阪府堺市でも4月に入り、集合住宅や大阪刑務所の職員宿舎など3か所で盗難が発覚。合わせて33個の水道メーターが盗まれました。さらに静岡県静岡市では、2026年3月以降、複数の公営団地などで89個のメーターが盗難に遭っています。
集合住宅が狙われる理由について、橋本氏は「多くの場合は建物の裏とか、建物の入り口付近など1階の部分にまとまって設置されていることが多いです。犯罪者にとっても、狙いやすいっていう部分はある」と話します。
銅の盗難を巡っては、これまで銅線ケーブルや銅で作られた瓦などが狙われてきましたが、今回、水道メーターを狙った犯行が増えているのは一体なぜなのでしょうか。
(橋本氏)
「多くの水道メーターは、水道メーターボックスという所にありますが、検針のしやすさを優先していて、鍵はかかっていません。防犯前提の設備ではなくて、利便性優先の設計ということが言える」
盗まれると水が使えなくなる、なんとも身勝手な犯行。橋本氏によると、被害に遭わないためには各家庭で水道メーターボックスの死角を減らしたり、付近を明るくしたりするといったことも対策の一つだということです。
また、橋本氏は「遠隔でチェックできる水道スマートメーターを自治体が導入すべき」とも話していて、東京都や大阪府では2030年代に全域で導入予定だということです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2026年4月24日放送)