【安東(韓国)時事】高市早苗首相は19日、韓国の李在明大統領と同国南東部・慶尚北道安東市で会談した。中東情勢の混乱長期化をにらみ、原油や石油製品の備蓄強化や相互融通などエネルギー安全保障協力の具体化検討で一致。こうした内容を盛り込んだ共同文書を発表した。
首相は会談で「日韓両国がインド太平洋安定の要として役割を果たすことが重要だ」と強調。李氏は日韓について「重要なパートナー」との認識を示した。首相は会談後の共同記者発表で、日韓の安保協力に関し「着実に進展させたい」と表明した。
原油輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、日韓はともにナフサなど重要物資の調達不安に直面している。これを踏まえ会談では、首相が4月に打ち出したアジア各国へのエネルギー支援の枠組み「パワー・アジア」の活用についても議論。液化天然ガス(LNG)を含めた両政府間のエネルギー協力の進展に向けた「政策対話」の設置で合意した。
両首脳は先の米中首脳会談の結果を巡り意見交換。ロシアとの結び付きを強める北朝鮮の動向には、日韓共通の同盟国である米国を交えた3カ国の連携で対処する方針を確認した。
両首脳は日韓、日韓米の安保、経済安保連携を強化するため、緊密に情報共有し、協力することも申し合わせた。首相は、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向けた李氏からの支持に感謝を述べた。
会談は少人数会合も含めて約1時間40分間行われた。首相は共同記者発表で「世界全体が不安定化する中、日韓首脳がシャトル外交で緊密に意思疎通を行っていることは大きな意義を有する」と指摘。李氏も「(日韓)両国民が実感できる、未来志向的な協力を一層拡大していくことを期待している」と応じた。 [時事通信社]