滋賀県日野町で昭和59年、酒店経営の女性=当時(69)=が殺害され手提げ金庫が奪われた日野町事件で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し、服役中に75歳で病死した阪原弘(ひろむ)さんの再審公判に向けた裁判所と検察側、弁護側による2回目の3者協議が19日、大津地裁で行われた。協議は非公開。弁護側によると検察側はこの日も立証方針を示さず、6月19日の次回協議で明らかにするとした。再審公判では無罪となる公算が大きい。
事件を巡っては、今年2月に最高裁が再審開始を認めた。3月に行われた1回目の3者協議で、裁判所側は迅速な審理を行う方針を提示。弁護側が有罪立証をしないよう求めたのに対し、検察側は「検討する」と述べるにとどめた。
この日の協議でも検察側は「検討中」と繰り返し、30分ほどで終了。その後、記者会見した阪原さんの長男、弘次(こうじ)さん(65)は「検察側は真摯(しんし)に取り組んでいるのか。正直失望した」と述べた。
事件では、遺族による第2次再審請求審で、阪原さんが事件現場を案内する「引き当て捜査」の様子を写した写真のネガが開示され、確定審で証拠とされた捜査書類の内容との食い違いが浮上。平成30年に大津地裁が再審開始を決定した。
検察側が不服申し立てを重ねたことで、最高裁での確定まで約7年半が経過した。