民家を初の国宝に指定へ 国内最古、神戸市の「箱木家住宅」

文化審議会は22日、現存する国内最古の民家「箱木家住宅」(神戸市北区)と、現存最古級の「旧古井家住宅」(兵庫県姫路市)の2件を国宝に、令和6年の能登半島地震で被災した「禄剛埼(ろっこうさき)灯台」(石川県珠洲市)など6件の建造物を重要文化財に指定するよう文部科学相に答申した。兵庫県教育委員会によると、民家が国宝に指定されるのは初めて。
箱木家住宅は、室町時代前期の14世紀ごろに建築された主屋が対象。屋根は入母屋(いりもや)造(づくり)のかやぶきで軒が低く、扉や窓などが少なく、柱と柱の間の寸法にばらつきがみられるなどの特徴がある。
もともと地域の祭祀(さいし)組織で神事をつかさどる「下頭屋(しもとうや)」を務めた土豪の箱木家の住宅で、現在は51代目の箱木真人(まひと)さん(94)が所有、管理している。ダム建設に伴い昭和50年代に現在の場所に移築され、平成30年から同市が姫路市教委と合同で実施した調査などで、14世紀ごろの建築と特定した。
神戸市の文化財保護審議会の委員で、神戸大の黒田龍二名誉教授(日本建築史)は「上質な造りで、建てられた当初の部材や形がよく残っている」と解説し、「火事などで失われず現代まで残ってきたのは奇跡だ。日本民家の原型と言ってよい」と評した。
答申について箱木さんは「国宝を守っていかなければならない責任の重大さを感じる」と受け止めを語った。
重要文化財となる禄剛埼灯台は明治16年、日本人技術者主導で建設した最初の本格的洋式灯台。能登半島の最先端部にあり、地震でレンズなどが破損した。

他5件は、鉄造灯台では現役最古の「姫埼灯台」(新潟県佐渡市)や「氷川神社本殿」(埼玉県川越市)など。また答申は、重要伝統的建造物群保存地区に松江市美保関を選定するよう求めた。
いずれも答申通り指定・選定される見通しで、建造物の重要文化財は2611件(うち国宝235件)、保存地区は130となる。