クマの誘因となる学校の樹木361本を伐採…秋田県教委「安全には代えられない」

支援学校の敷地で4頭捕獲
秋田県教育委員会は、県立学校の生徒や教職員をクマ被害から守ろうと、敷地内の誘引木の伐採事業に乗り出した。今年度の対象は14高校と4特別支援学校のクリやクルミなど計361本。開校時に植林されて育てられた樹木もあるが、「安全には代えられない」と伐採作業を急いでいる。(藤田陽平)
校舎を囲む緑が、県内陸の深い森林と続く秋田市南ヶ丘の県立秋田きらり支援学校。校舎北側の林で12日、委託業者がクヌギやコナラの木をチェーンソーで根元から切り倒し、重機で寄せていた。
同校の敷地では昨年10~12月、クマの出没が相次ぎ、箱わなや麻酔銃で計4頭が捕獲された。木に実ったドングリが目当てとみられ、爆竹や拡声機で追い払ってもすぐに戻ってきたという。過去に目撃されたのは2019年の1回だけだが、昨年は校舎の自動ドアをひっかく姿が防犯カメラに記録されるなど異常な状態だった。
同校で伐採する樹木は225本で、今年度に伐採対象となった樹木361本の6割を占める。これらは10年の開校時に植林されたものだが、車椅子利用の児童、生徒がいることから「より配慮が必要」だという。
クマ対策としては、登下校時には校舎の出入り口で音楽をかけたり、屋外の畑で作物を育てないようにしたりしている。高田屋陽子校長は「植林された樹木は良い雰囲気の林になっていたが、子供たちや職員がクマと遭遇してからでは遅い」と対応に迷いはなかった。
県教委施設整備室によると、誘引木の伐採は、昨年秋のクマの大量出没を受けた事業。対象は、高校が大館鳳鳴、秋田北鷹、五城目、秋田西、秋田、秋田北、仁賀保、大曲農、大曲工、角館、横手、横手城南、増田、湯沢。特別支援学校は、秋田きらりに加え、比内、栗田、横手。
今年度は1655万円の予算が組まれ、大半の学校が4月中に伐採を行った。同整備室の担当者は「出没が本格化する前に、できるだけ早く取り組みたい」と話した。
誘引木の伐採を巡っては、24、25年度は県が各自治体への補助事業を展開。今年度は、各市町村が国の補助金を活用するなどして、住民が負担した伐採費用の一部を補助している。