当時17歳の女子高校生Aさんが、北海道旭川市の景勝地「神居古潭」にある吊り橋から転落し、亡くなった事件。Aさんを死なせたとして起訴されている内田梨瑚被告(23)の公判が、5月25日からついに始まる。
争点と見られるのは、内田被告が「殺人の実行行為」を行ったか否か、さらに事件前の不同意わいせつがAさんの死に直接関与したかどうか、という点などだ。【前後編の後編。前編から読む】
内田被告は2024年4月、自身の軽自動車にAさんを監禁して連れまわして暴行したうえに、裸にして土下座させ、橋の欄干に座らせるなどし、川へ転落させて死なせたとされている。
内田被告の弁護側は殺人の実行行為、不同意わいせつによる「致死」の部分を否認する方針とみられている。
共犯の女は事件当時は19歳。旭川地検は改正少年法に基づき起訴時に実名を公表している。すでに公判を終えた小西優花受刑者(21)は昨年、同罪で実刑判決を受けている。小西受刑者は内田被告の”舎弟”という立場にあったこともわかっているが、2人は事件当日、Aさんから奪ったスマートフォンで暴行の様子などを動画撮影していたことがわかっている。
小西受刑者の公判を傍聴していたライターが語る。
「内田被告の公判で争点になるとみられる殺人・わいせつ致死に関し、証拠となるのがAさんのスマホに残されていた動画です。小西受刑者の公判でも、このスマホについて言及されていました。
2人は、全裸土下座動画など一連の動画を、Aさんから奪ったスマホで撮影していた。2人は犯行後、そのスマホの動画データを削除し、川に向けて投げ捨てていたが、事件の約2週間後、捜査員が当該のスマホを発見。データが復旧されたことで、動画の内容も復元され、小西受刑者の公判で流されたのです」
この動画内容は、内田被告の公判でも参照されるものと思われる。このライターが続ける。
「小西受刑者の公判では、裁判員のモニターに、Aさんが土下座させられている動画などが表示されました。法廷内のスクリーンには表示されませんでしたが、Aさんが『ナメた態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした』と謝罪する音声のみ聞こえてきました。
もう1つ、全裸のAさんが橋の欄干に座らされ、謝罪させられている動画も。この動画からは内田被告が『はい、どうぞー』と命令口調で何か促し、Aさんが『やだ、やだ……』と弱々しく、怯えるような声が聞こえました。
その後、Aさんが悲鳴を上げ、動画は終了。検察側の話では、悲鳴を上げたAさんは欄干から橋の床版に戻ってきたそうですが、被告らに再び欄干に座るように命じられた後、転落したということのようでした」
内田被告は小西受刑者の公判に出廷したが、完全黙秘を貫いた。
「内田被告の裁判にも小西受刑者、また事件に関与したとされる少年・Xと少女・Yも出廷予定です。内田被告を前にどのような証言をするのか注目されています」(全国紙社会部記者)
5月25日の初公判から、結審は6月8日、判決は同22日と予定されている内田被告の裁判。小西受刑者と違って殺人罪が成立しないということはあり得るのだろうか。
(了。前編から読む)