ナフサ原料の商品「品切れ」も エアコン設置にも影響 政府見解と現場の声にギャップ 福岡

原油由来の石油製品「ナフサ」の供給不足が懸念される中、その影響は、夏に欠かせないエアコンの設置工事の現場にも広がっています。専門家は、政府には現場の状況を正確に把握した上で対策をとることが求められると指摘します。
5月26日、福岡市内のホームセンターを訪ねると、ところどころに「品切れ中」の表示がありました。
■井ノ上新弥フィールドキャスター
「接着剤のコーナーでは欠品が出ていて、空きが目立っています。」
接着剤のほかに梱包用のフィルムなど、ナフサを原料とする商品が品切れとなっていました。
■ナフコ福岡空港店・花田健吾 店長
「約1か月前からこのような形になっていて、毎週発注はしていますが、入荷が不安定な状況になっています。」
塗料などを買いに来たという人は。
■建設業
「今、少ないのと値上がりで、確保するのも現場では大変みたいですね。常にあるのが当たり前だったので、また戻ってほしいですね。」
■花田店長
「どうにかお客様に提供したいと、やってはいるのですが、安定して供給できていないところは現実にありますので、大変ご迷惑はおかけしていると感じています。」
ナフサの供給不安は、夏に欠かせないエアコンの設置現場にも影響が及んでいます。
■井ノ上フィールドキャスター
「こちらのお宅では、今まさにエアコンの設置工事が行われています。これから始まる夏本番に向けて、需要が増えているということです。」
来年4月からエアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられることで、価格高騰が懸念されている「2027年問題」。
その導入を前にエアコンを購入した“駆け込み需要”を受け、設置件数も去年の1.2倍ほどに増えているといいます。しかし。
■カノデンキ・諏訪歩さん
「部材が入らない、少ないことが大きな問題かなと思います。」
エアコン設置に必要な、ナフサ由来の資材が不足しているといいます。
資材置き場を見せてもらうと。
■カノデンキ・苅田哲さん
「正直、かなり入りづらくなっていて、特にエアコンのブロックですが、普段だったら棚いっぱいで、もう1か所の倉庫にもいっぱいあるのですが、今はこれだけしかない。」
■井ノ上フィールドキャスター
「これまでは、不足することはあったのでしょうか。」
■苅田さん
「ないですね。初だと思います。」
今ある資材だけでは、半月ほどでなくなってしまう可能性があるということです。
政府は、ナフサの国内供給に問題はないとしていますが、NNNと読売新聞が行った最新の世論調査では、政府の説明に「納得できない」と答えた人が6割を超えました。
なぜ、政府の見解と現場の声にギャップが生まれるのでしょうか。
石油流通システムに詳しい専門家は。
■桃山学院大学 経営学部・小嶌正稔 教授
「ナフサは、あまりにもたくさんの製品で姿を変えていきます。ですから、ナフサが足りることと、現場で製品がないこと自体は同じではないんです。ですから、政府の言っていることと現場の温度差が、あまりにも大きくなっている。」
小嶌教授は、政府は現場の状況を正しく把握して、関連製品が確実に流れる仕組みを構築すべきだとした上で、この状況が解消されるにはまだ時間がかかるとみています。
■小嶌教授
「ホルムズ海峡自体が開いたとしても、製品のサプライチェーンが長いので(ホルムズ海峡が開いた後)4か月、5か月、半年ぐらいは正常化するのには時間がかかる。」
先行き不透明な状況はいつまで続くのか。現場でも不安感は広がっています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年5月26日午後5時すぎ放送