栃木県上三川(かみのかわ)町の民家で親子3人が死傷した事件で、事件を主導したとみられる40歳代の男(強盗殺人容疑で逮捕状)が、現場の指示役に通信アプリで「ルパンやる?」とメッセージを送っていたことが捜査関係者への取材でわかった。「ルパン」は窃盗を意味する隠語とされ、警察当局は男が高額な報酬を提示して事件を持ちかけたとみている。
事件では、実行役とされる男子高校生4人のほか、現場での指示役とみられる横浜市港北区の無職竹前海斗(28)、妻の美結(25)両容疑者が強盗殺人容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、押収したスマートフォンの解析で、海斗容疑者が事件前後、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」と「テレグラム」で連絡していた男が浮上した。男は「カズ」を名乗り、海斗容疑者に報酬を示して「ルパンやる?」と持ちかけていた。被害者宅の場所や資産の情報なども送信していたという。
警察当局はその後の捜査で、事件後に出国した40歳代の男をカズと特定した。事件の数日前、神奈川県内のホームセンターで凶器とみられるバールを購入していたことも防犯カメラの映像などで確認した。
男は通信アプリを通じ、海斗容疑者に事件で使う車を用意する意思も伝えており、警察当局は男が事件を計画したとみている。
「匿名・流動型犯罪グループ(匿流(トクリュウ))」はSNSなどで「闇バイト」を募集する際、捜査を警戒して隠語を使うことが多い。ルパンのほか「タタキ」は強盗、「UD」は犯罪収益の受け取り役や引き出し役を意味するとされる。応募者の個人情報を握って「家族や友達を殺す」などと脅すことで、より凶悪な犯罪を強いることも珍しくない。
今回の事件にも匿流が関与しているとみられ、警察庁は関連情報を警視庁に集約するよう指示。「デジタル・フォレンジック」(電子鑑識)を得意とする同庁の捜査支援分析センター(SSBC)を中心にスマホの解析を進めている。