ガソリン補助「月4000億円」、与野党から引き下げ検討求める声…高市首相「価格はG7で最安水準」

政府によるガソリン代の補助金制度を巡り、支給額の引き下げを検討するべきだとの声が与野党から上がっている。高市首相は効果を強調するが、巨額の財政負担への懸念が強いためだ。政府は、イラン情勢の動向などを考慮しつつ、必要な対応を見極める構えだ。(井美奈子)
「ひと月でだいたい4000億円だ。持続性を持つためには水準も考えなければならない」
自民党の鈴木幹事長は30日、宮崎市での党会合でガソリン代の補助金についてこう述べ、見直しの検討が必要との考えを示した。
中東情勢の悪化に伴う原油価格高騰を受け、政府は石油元売り会社に対し、3月19日出荷分から補助金支給を再開した。レギュラーガソリンの全国平均価格を1リットル当たり170円程度に抑えるよう調節している。
政府によると、国内の1リットル当たりのガソリン平均価格は18日時点で169円と、米国190円、英国343円など欧米各国を下回る。高市首相は25日、首相官邸で記者団に「G7(先進7か国)で最も安い水準だ」と強調した。暫定税率廃止の効果と合わせ、1世帯当たり月2600円程度の負担軽減になったと経済効果も力説した。
もっとも、補助金支給の長期化は財政を圧迫しかねない。財源となる基金は6月末に枯渇する可能性があり、政府は今年度補正予算案に「中東情勢等対応予備費」として2兆5000億円を計上し、財源を確保する方針だ。
出口が見えない支給継続への懸念は、与野党に広がっている。日本維新の会の藤田文武共同代表は27日の記者会見で、「柔軟に考えるべきだ」と指摘した。自民内には、支給対象を低所得者などに絞ることが望ましいとの意見がある。
野党は、6月3日から予定される補正予算案の審議で追及を強める構えだ。国民民主党の玉木代表は26日の記者会見で「今のままだと無限に補助することになる」として支給額の抑制を提言した。中道改革連合の岡本政調会長も20日、「原油価格が上がるほど財政支出は多くなる。現状の財政の中で持続可能性があるのか」と疑問を呈した。
高市内閣は「強い経済」の実現を掲げ、政府内には縮小などの見直しは「経済活動の急ブレーキになる」(高官)との警戒感がある。ただ、首相周辺も「際限なく続けることはできない」としており、見直しの時期や規模が焦点となる。