「日本語能力試験」に横行する不正行為…暗躍する“カンニング業者”の卑劣手口を告発

昨年、世間を揺るがせたTOEIC不正受験事件では、組織的な替え玉受験やカンニングが発覚し、中国籍の大学院生など解答役やリクルーターなどが逮捕される事態にまで発展した。 こうしたなか、国内では別の試験のカンニング業者が暗躍し始めた。手口と実情を探るため、業者に接触した!◆手のひらに忍ばせたスマートウォッチを袖口からそっと出して……「7月JLPT、緊急救済、焦っている人、ラッキーな方法で合格」 2月頃から、中国系SNSでこうした広告がいくつも見られるようになった。JLPTとは、日本語能力試験のこと。外務省の外郭団体など複数の団体で運営する、日本語を母語としない人を対象とした最大規模の語学検定だ。いったい、この広告はどういう意味なのか。中国事情に詳しいライターの広瀬大介氏はこう説明する。「これはカンニング業者の広告です。JLPTは5段階のレベルがあり、日本で働く外国人にとって就職や国家資格への鍵となる、日本政府お墨付きの試験です。最近この手の広告が増えてきたのは、昨年10月に入管法が改正されたからでしょう。経営・管理ビザの資本金要件が3000万円に引き上げられたことに加え、JLPTのN2(上から2番目のレベル)以上の日本語能力が求められるようになったのです」 近年、国民感情が「移民反対」へと傾くなか、在留資格の運用や高度人材の選別をより厳格化すべく入管法が改正された。その影響で、都市部のガチ中華やガチインドなど本格外国料理店が減るのではとも懸念されており、賛否が渦巻いている格好だ。「入管法改正を受け、JLPTの受験者数は増えています。7月の試験については、申し込み期限を10日以上も前倒しして締め切ったほど。就職や待遇面で有利になる技能実習生や留学生のほか、日本語能力の怪しい経営・管理ビザ取得者などが申し込んだ影響だと見ていいでしょう」(広瀬氏)◆日本の試験会場では身体検査はされない さて、話を冒頭の広告に戻そう。JLPTのカンニング業者の手口や実態はどうなっているのか。小誌記者は受験者を装い、業者とやりとりしてみた。 まず、中国系SNS「小紅書」で“合格保証”を謳い、集客していた業者Xにコンタクトを取ると、WeChat(中国版LINE)に誘導され、音声メッセージで詳細が送信されてきた。「カンニングはスマートウォッチか小型イヤホンで行います。試験が始まってしばらくしたら、そこに解答を送ります。金額的には前者が安くてオススメですよ。費用はN1とN2は2万元(約46万円)。イヤホン方式はプラス1万元になります」