遺族が望むこと問われ「一生刑務所にいてほしい」求刑は“無期懲役”判決の行方は…?江別大学生暴行死

川村被告、社会に出られる確率「ほぼないと思う」解剖医は「救急車を呼んでいたら助かった」
北海道江別市で2024年10月、男子大学生が男女6人から集団暴行をうけ死亡した事件の裁判員裁判で、川村被告の審理が結審し検察は無期懲役を求刑しました。
強盗致死などの罪に問われているのは、川村葉音被告(21)と滝沢海裕被告(当時18)、少年(当時16)のあわせて3人です。
起訴状などによりますと3人は2024年10月、江別市の公園で長谷知哉さん(当時20)と交際していた八木原亜麻被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させた上、現金やカードを奪うなどしたとされています。
3人はいずれも起訴内容を認めていて、札幌地裁は6月3日、3人に対し「強盗致死罪が成立する」との判断を示し、分離して審理が進められています。
裁判の最大の争点は量刑で、6月5日の裁判では、川村被告に対する情状面の被告人質問などが実施されました。
【弁護側の被告人質問】
Q.遺族に伝えたいこと、言いたいことはありますか?
A.私たちが事件を起こしたことで、被害者に痛い思い、苦しい思いをさせたこと、カードを奪って自分や男性たちのためにタバコを買ったこと、キャッシュカードを奪って許可なくお金を奪ったこと、大切な命を奪ってしまい申し訳ありません。
川村被告は声を震わせながら話し、前を向いたまま深く一礼しました。
Q.遺族はあなたに何を望んでいると思う?
A.死をもって償ってほしいか、一生刑務所にいてほしいと思っていると思う
Q.もしあなたが死んだとして納得すると思いますか?A.納得はしないと思います
Q.あなたにとって償いとは?
A.刑務作業をすることもそうだし、事件を振り返り自分の悪かったことを反省するのも償い。もし社会に出られることがあるなら現場の公園で花を置き、手を合わせることも償い。遺族が許してくれるなら直接お墓に行き、手を合わせることも償い
Q.仮に社会に出られたらどうする?
A.具体的には考えていません
Q.あなたにとって公園で被害者と会う目的は?
A.話し合いをするため、トラブルを解決するため
Q.トラブルの解決のためにあなたがしたことは?
A.公園についてすぐ、被害者に「謝ってないって本当?」と聞いた。被害者が「はい」と言ったので、八木原被告に「謝ってないって言ってるよ」と言ったら、被害者が「さっき謝りました」っていったので、八木原被告に「謝ったっていってるよ」と言いました。
Q.被害者の口から血が出ているのをみてどう思ったか
A.暗くてあまり見えなかったが、自分も交際していた少年Aから暴行を受けて、口から血が出たこともあったので大したことないと思った
Q.警察沙汰になるとは思わなかった?
A.その時は思わなかったです
Q.事件後に一度現場に戻ってきているが、なぜその時に被害者の様子を確認しなかった?
A.みんな車から降りる雰囲気ではなく、1人で降りるのも暗くて怖かった
Q.八木原被告に警察に言わないように口止めしたのはなぜ?
A.事件後に行ったラーメン屋で川口侑斗被告から「八木原に警察に行かないように言っておけ、口止めしておけ」と言われたので、その場でメッセージを送った
Q.その後、グループでのメッセージのやり取りで、八木原被告を「ぼこす」などと言った理由は?
A.八木原被告にイラついていた。26日に電話がかかってきて「だからやめてって言ったじゃん。男性たちと川村被告が暴力をしてた。私は何もしていないって警察に言うから」と言われて、やめてなんて一言も言ってないのに何で?とイライラした
Q.そうだとしても、ひどいことを言う必要はないのでは?
A.今は確かにそうだと思います。普段からイラついた時に悪い言葉が出てしまうので…。
Q.出頭しようと思ったのはなぜ?
A.死なせてしまったというモヤモヤがずっとあって、日が経つにつれて大きくなって、どうしていいかわからなくて自首することにした。
Q.川口被告と会うときは何か気を付けていたか?
A.雰囲気を壊さないようにしていた。川口被告から一度「雰囲気を壊されることが一番嫌いだ」と言われていたので
Q.被害者からお金を取ろうと思っていたのか?A.思っていません
Q.では、お金を要求するようなことを言う必要はあったのか?なぜ言った?
A.言う必要はなかったです。普段から黙っていることができず、事件の時は何も考えずに言った。
Q.痛いだろうと思わなかったか?
A.思わなかったです。
Q.なぜ止めようと思わなかったのか
A.怖いし、勝手に暴力を始めたので、暴力は私には関係ないと思った
Q.死んでしまうと思わなかった?
A.思わなかったです。
Q.トラブルの解決から、なぜ事件に発展してしまった?
A.突然の出来事だったので自分でもよくわからないです。
Q.自分の行動で何が一番の問題だと思いますか?A.何も考えずに行動をしたことです。
【検察の被告人質問】
Q.交際していた少年Aからの暴力を振るわれていたことを、よく裁判で話しているが、事件との関係は?
A.(しばらく沈黙)よく分からないです
Q.少年Aから暴力を受けていたのに、被害者への暴力をみて心配にならなかった?
A.いま思うと心配だと思うけど、事件の日は思わなかったです
Q.なぜ当時は分からなかった?当時と今で、何が違うのか?
A.考えるようになった。捕まるまで考えるということが自分の中になかった。
Q.高校でいじめられていた経験から、考えるようにはならなかったの?
A.人目は気にするようになった
Q.暴力を振るっている人と友人でいたり、そのあたりで人目は気にしなかったのか?
A.(しばらく黙り込み)…はい
Q.周りに流されやすいと言ってたが、事件後のメッセージみると、川村被告がまわりを巻き込んでいるのでは?
A.(黙り込む)
Q.社会に出られる確率はどのくらいあると思う?
A.ほぼないと思ってます
検察は「自らの意思で暴行を加え、金品も要求したと評価するほかない」として、川村被告に無期懲役を求刑。
一方、弁護側は「川村被告の暴行は死への寄与度が低い」「6人の中で発言力が低く、川村被告の発言を誰も気にしていなかった」として、懲役13年の有期刑を求めました。
判決は6月25日に言い渡されます。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。