今、関東各地で車のナンバープレートに取り付けられているキャップ、いわゆる“封印”の盗難が相次いでいます。封印は、正式なナンバープレートであることを証明するなど、重要な役割を持つ部品です。なぜ、アルミ製の小さな部品が盗まれているのでしょうか。
埼玉県三郷市の集合住宅の駐車場。駐車している車には、ナンバープレートの左上に本来取り付けられているはずの封印がありません。強引に取り外されたのでしょうか、封印があった場所の周囲には無数の傷が残っています。
さらにその周辺にある車には、封印は付いているものの、何かで傷をつけられた跡が残っています。この駐車場には、封印の近くに傷がある車が複数台止められていました。
(被害に遭った男性)
「ドライバーみたいなので突いて、この封印の部分を剥がしていったみたい。40~50台やられているのではないか。ショックっていうか、『えーっ』ていう気持ち」
被害に気が付いた男性は、手数料70円を支払いすぐに再封印をしたといいます。
また取材班は、「封印」がない状態で走行している車を発見。運転していた女性に話を聞くと、盗難被害に遭っていたことにすら気付いていなかったようで…。
(「封印」をつけずに走行していた女性)
「(盗られているのを)知らなかった。これ届け出たほうがいいんですか?」
(取材班)
「とりあえずは警察に連絡した方がいいかもしれないですね」
(「封印」をつけずに走行していた女性)
「わかりました。ありがとうございます」
正式に登録された車の証しであり、ナンバープレートの不正な取り外しを防止する役割などを持つ封印。車両後部のナンバープレート左上に取り付けられており、東京都内なら「東」、埼玉県内なら「埼」のように、登録地域ごとに定められた文字が記されています。
国土交通省によると、封印がない状態は違法となる可能性があり、気がついたらすぐに再封印の手続きを行わなければならないといいます。封印がないまま走行した場合、道路運送車両法違反となるおそれもあります。
こうした封印の大量盗難は、茨城県取手市でも起きています。取材班は、複数の駐車場でナンバープレートから封印が取り外された車を確認しました。
(被害に遭った住人)
「封印が剥がされて変な形で残っていて…。周りの車を見たら、何台も(封印が)なくなっていたので、みんな被害に遭っているんだと思いました」
被害者によると、5月10日、駐車場に止めてあった車の封印が一夜にして一斉に盗まれたといいます。犯人はいったいどのような人物なのでしょうか。取材班は、犯行の一部始終を目撃したという女性に話を聞くことができました。
女性は、10日の午前3時から3時半ごろの間に、何かを黒い袋に入れていた男性を目撃したといいます。不審に思い、そのときの出来事を日記に書いていました。
(女性の日記より)
「男の人がいてカチャカチャ音がした」
女性によると、その不審な人物は30代から40代くらいの男性で、身長は160センチほど。茶色いキャップに黒いTシャツ、カーキ色のズボンを着用していたといいます。
埼玉県三郷市と茨城県取手市で相次いだ封印の大量盗難。しかし、被害はこれだけではありません。栃木県宇都宮市でも、多くの車が封印を外される被害が起きていました。
一体なぜナンバープレートの封印だけを狙った盗難が相次いでいるのでしょうか。
(元埼玉県警 警部補・佐々木成三氏)
「換金目的ではないと思いますね。封印は1つが軽いため、大量に盗まないと換金は難しく、効率が悪い。盗難車両の偽装として使用するために盗んでいるのではないか」
2026年1月に起きた羽田空港駐車場での現金1億9000万円の強盗未遂事件では、逃走した4人組の男が乗っていた車が偽造ナンバープレートでした。佐々木さんは、「自動車盗難は組織的犯罪の関与が大きく、外国人犯罪組織や匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)などの関与も考えられる」と指摘します。
被害に遭わないための対策としては、まず街灯を設置するなどして周囲を明るく保つこと、そして防犯カメラを設置して監視することが有効です。
さらに、被害に遭った場合について、佐々木さんは「封印盗難を放置すると、ナンバーや車両自体の盗難につながるおそれがあるため、早めに運輸局や警察に相談してください」と呼びかけています。
(読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」2026年6月5日放送)