学校に助言する「スクールロイヤー」、全都道府県に拡大へ…保護者とのトラブルに積極関与の動き

学校現場の様々な問題に助言する弁護士「スクールロイヤー」の本格導入が進み、今年中にもすべての都道府県に広がる。助言にとどまらず、話し合いに同席するなど、学校側と保護者とのトラブルに積極的に関わる動きも出てきた。(小松大騎)
スクールロイヤーは、自治体と契約するのが一般的で、都道府県単位で見ると、本格導入された2020年度の利用は32都府県だったが、今年5月時点で46都道府県に拡大。残る奈良県も今年中に始める。
日本弁護士連合会や文部科学省は、スクールロイヤーについて学校や教育委員会への助言や保護者との面談への同席、学校側の代理人などの業務にあたる弁護士とするが、現実には助言や研修が主になっている。
文科省によると、都道府県への調査(昨年3月時点)で、業務に「(保護者との)面談同席」を掲げるのは7%、「交渉窓口」は4・7%にとどまる。
教育現場で弁護士の積極的な活用を図る動きも出始めている。
三重県は今年4月から、スクールロイヤーを含む専門家が学校だけで対応が難しい問題を仲裁し、訴訟に至る前に解決を目指す制度を導入。スクールロイヤーや心理士、元家裁調査官らで構成する委員会が、当事者同士の話し合いに立ち会い、中立の立場で双方の意見を聞いて解決を目指す。
大阪弁護士会は、スクールロイヤーとは別に、弁護士が学校側の代理人となる制度を昨年11月に始めた。弁護士会と協定を結んだ府や市町村から要請があれば、研修を経て弁護士会に登録する約20人から選定し、学校に派遣する。
学校側の代理人となることには「学校と保護者側との信頼関係の再構築が難しくなる」との指摘もあるが、制度作りに関わった森谷長功(ながのり)弁護士は「代理は敵対的ではないし、むしろ保護者に会わずに学校側に助言する方が関係を悪化させる場合がある」と語る。
◆スクールロイヤー=いじめや不登校、保護者の過剰要求など、複雑化する問題に対応する教員の負担軽減のため、文部科学省が2019年に全国への配置方針を示し、翌年から本格的に導入された。法律上の定義はなく、日本弁護士連合会は「スクールカウンセラーと並んで学校教育法施行規則に位置づけるべきだ」と国に要望している。