北海道江別市で集団暴行を受けた大学生(当時20)が死亡した強盗致死事件の裁判員裁判。 共犯者6人のうち、3人の裁判は6月25日に判決を迎えます。
強盗致死、詐欺、詐欺未遂、窃盗の罪に問われているのは、川村葉音被告(21)、当時18歳の高校生だった特定少年の男、当時16歳の少年の3人です。
起訴状などによりますと、3人は2024年10月、同じく強盗致死罪などで起訴されている八木原亜麻被告(21)と交際していた長谷知哉さん(当時20)に集団暴行を加え、キャッシュカードなどを奪い死亡させた罪に問われています。
これまでの裁判で、検察側は川村葉音被告に無期懲役を求刑。 当時18歳の高校生だった男には懲役20年、当時16歳の少年に懲役10年~15年以下の不定期刑をそれぞれ求刑しています。
解剖医が証言「高い確率で助かっていた」
裁判では、金品を奪った後の暴行が2時間に及ぶ長時間で執拗なものだったことが明らかになりました。
死亡した長谷さんは、外傷性くも膜下出血、硬膜下出血、腰椎の骨折などの重傷を負い、死因は外傷性ショックでした。
出廷した解剖医は「腎臓の一部が裂けるような状態」「心臓にも出血があった」と証言しました。
【解剖医の証言※一部抜粋】
「頭部全体にかなり多量の出血があったため、数十回以上は頭部を打撃されているかと。腎臓の一部が損傷し、裂けるような状態になっていて、腎臓の周りに血液が溜まっていました」
「心臓の内側に出血が見られました。体からどんどん血液が失われても、心臓は最後まで動き続けます。血液を絞り出すように心臓が動くとき、心臓の内側どうしがぶつかり合うような形になり、心臓の内側の膜に出血が生じたのかと」
「今回の外傷性ショックの主な原因は、体の中の血液が血管の外に出てしまったこと。出血している場所は、すべて死因に関与するということです。速やかに救急の専門的な病院に運ばれて、輸血などが行われていれば、十中八九、高い確率で助かっていたかと。ただし、脳機能には障害が残った可能性はあります」
「叫んでいました」明らかになった犯行態様
川村葉音被告(21)の被告人質問では、この事件の詳細が明らかになりました。
【検察側の被告人質問】※一部抜粋
Q.被害者が「もうこれ以上やめてください」というのは聞こえましたか。 A.事件の日に私の耳で聞きました。
Q.胸は痛みませんでしたか。 A.その時は本当に何も考えていません。
Q.被害者の頭が蹴られて、ゴロンと横を向いて、そしたら反対側の人に蹴られてゴロンとなったのを繰り返してるのを見たと書いてあるけど、それは思い出せませんか? A.……(10秒くらい沈黙)そういう場面はありました。
Q.それを見た時どう思った? A.グロかったと思います。
Q被害者の反応は覚えてる? A.叫んでいました。
Q.被害者が亜麻(八木原被告)ちゃんいますか?と言ってきたのはなぜだと思う? A.おそらく目が開けられない状況だったからだと思います。
Q.放っておくと死んじゃうとは思わなかった? A.考えていなかった。最後、ろれつが回っていなかったので、どうやって帰るんだろう、くらいだった。
「金出せ全部」暴行動画が証拠に
法廷では、被害男性が録音していたスマートフォンの音声や主犯格の男が自ら撮影した動画が再生されました。
・川村被告「お前さ、調子乗んなや!」 ・主犯格の男「早く立ち上がって」 ・被害男性「本当に申し訳ございませんでした」
被害男性の血が飛んだことについて「弁償しろ」と主犯格の男が蹴り、川村被告が「自分にも血がついたかもしれないから金払え」と発言しました。
・主犯格の男「血ついてるべや、弁償代払え、弁償すれよ!」 ・被害男性「はい」
・主犯格の男「どうすればいいの?金出せ全部」 ・川村被告「そんな金持ってないしょ、早くしろ」 ・少年「クレジットカードもな」 ・被害男性「1万ないです。2000円です」 ・被害男性「金ないです」 ・主犯格の男「足りると思ってるの?」 ・主犯格の男「銀行カードあんのか。早くおろせ」
主犯格の男が財布からクレジットカードを発見すると、川村被告と八木原被告がコンビニへ向かい、タバコ32箱と八木原被告の弁当を購入。さらにタバコ10箱を買おうとしたものの、クレジットカードが使用停止になり、詐欺未遂となりました。
「今日は楽しく終わった」犯行後のグループLINE
犯行後、共犯者たちはどのようなやり取りをしていたのでしょうか。 被告らのグループLINEが証拠採用され、その内容が明らかになりました。
・主犯格の男「お疲れ様、今日は楽しく終わったと思います」 ・高校生だった18歳の男「俺捕まったらあの女(八木原被告)の家燃やす」 ・17歳の少年「解散したとき生きていた」 ・主犯格の男(被害男性の遺体について)「コンクリートに(遺体が)ずれたんだ(笑)。草濡れていたから冷たかったんじゃない? コンクリートの方が温かかったんじゃない? 笑笑笑」
川村葉音被告、当時18歳の高校生だった男、当時16歳の少年の3人に対する判決は6月25日に言い渡されます。
当時18歳の主犯格の男ら、残る3人の共犯者の裁判は始まっていません。
おことわり HBCでは、当時18歳の特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件は、1人の大学生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。