台風19号が関東地方に接近するとして、気象庁が厳重な警戒を呼びかけた9日、台風15号の千葉県内の被災地からは「もうもたない」と悲痛な声が上がった。一方、新たな被害を食い止めようと、各地で備えを進める姿が見られた。
鋸南町ではこの日、傷んだ電線や電柱のメンテナンスとともに、電線に引っかかりそうな木の枝の伐採が行われていた。男性作業員は「15号の停電から復旧を急いだので
脆弱
( ぜいじゃく ) な部分が多い。しっかり、速やかに作業を進めたい」と話した。町の依頼で住宅のブルーシートを張り直している建設会社では3班に分かれ、作業を進めた。担当した男性(21)は「少しでも強度を上げ、めくれないように補強をしている。台風19号が来る前にできる限り多くこなしたい」と述べた。
市原市の住宅地に倒れたゴルフ練習場の鉄柱やネットは、現在も撤去の見通しが立たないままだ。市内の実家に避難している女性(57)は「次に直撃したら、家が倒壊するかもしれない」と危機感を強める。家具などを運び出し、「本当にうんざり」と話した。
木更津市の農業男性(75)のハウスは強風でビニールがはがれ、骨組みが曲がるなどして、3棟で育てていたキュウリの半分がだめになった。台風19号に備え、修復したばかりのビニールの補強に追われている。男性は「農業を50年以上やってきて、台風15号の被害が最もひどかった。19号も同じ規模だと、もうもたない。海上にそれるのを願うだけ」と疲れた表情を見せる。
市原市のホームセンター「ジョイフル本田市原店」では、防災用品を買い求める客が多く訪れた。20リットルの水が入るポリタンクは入荷した120個が約30分で完売。ランタンも入荷後まもなく完売した。ガラスの飛散を防ぐガラスフィルム、養生テープ、カセットボンベなども品薄が続いているという。
館山市の災害対策本部は緊急会議を開き、台風19号が接近する前の11日に、避難所を通常より1か所多い12か所開設することを決めた。
君津市は、12日から市内10か所で避難所を開設する。県から発電機と投光機をそれぞれ24台借り、福祉施設17か所に貸し出す予定だ。