X投稿でテロ疑われ「まさか」 公安警察の捜査受けた女性が証言

警察当局が近年、組織に属さず単独でテロを起こす「ローンオフェンダー(LO)」対策に躍起になっている。テロに関する「予兆」を察知するためSNS上の見回りに注力するが、その詳細はベールに包まれてきた。
そんな中、今冬の衆院選でテロの恐れを疑われて公安警察の捜査を受けた40代女性が毎日新聞の取材に応じた。X(ツイッター)へのある投稿を機に突然、自宅に捜査員が訪れたという女性は驚きを語り、「今も見られているかもしれないと思うと不安」と話した。
相次いだ要人襲撃で警戒強化
LO対策は2022年の安倍晋三元首相銃撃事件や、その翌年の岸田文雄首相(当時)襲撃事件を受け、重要性が指摘されるようになった。公安警察を中心に、武器や化学薬品の製造に関する情報の収集や分析、SNS上での要人や政府への攻撃を示唆するような書き込みの警戒を続けている。
25年以降、警察庁は国政選挙の際に「LO脅威情報統合センター」を設けて体制を増強。首都の警戒を担う警視庁も25年春にLO対策に専従する「公安3課」を新設した。
「まさか捜査受けるとは…」
女性は衆院選を控えた26年1月中旬~下旬、2回にわたってXに「火炎瓶」「焼身自殺」といった言葉を含む短文を投稿した。すると、1週間ほど後の朝方に警察官が自宅を訪れ、実際に武器を作っているのか聞かれたという。
問答は任意で、玄関先でやりとりした。女性は自身の投稿について反省の意を示し、襲撃や自殺の意図はないと説明。警察官らは数分で引き揚げた。
女性は取材に対し「まさかあの書き込みで捜査を受けるとは思わなかった。(投稿の)前後を見れば冗談だと分かると思った」と釈明。一方、匿名だった投稿からどのように自分が特定されたかは説明がなかったといい、現在も居心地の悪さを感じていると語った。【最上和喜】