野党「静謐な環境」に疑義=典範改正案、国会審議不透明

皇族数確保策を盛り込んだ皇室典範改正案の閣議決定を受け、野党各党から30日、旧宮家男系男子を養子として皇室に迎える規定に改めて異論が出た。国会では衆院議員定数削減法案などを巡って与野党対立が先鋭化。政府・与党が掲げてきた「静謐(せいひつ)な環境」下の議論が担保されていないとの批判も相次いでおり、審議入りのタイミングは不透明だ。
立憲民主党の田名部匡代幹事長は記者団に、養子に男の子が生まれれば皇位継承資格を有するとした内容に関し、「立法府の総意とほど遠い」と断言。野党欠席のまま定数削減法案などの審議が続行される国会の状況にも触れ、「どこが静謐な環境なのか」と問題視した。
中道改革連合の笠浩史氏は、養子に生まれた男の子の皇位継承資格について「先々考えていくべきだ」と主張。「今の国会で典範改正を議論できるのか非常に疑問が残る」と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も「静謐な環境の下で議論することが不可欠だ」と強調。国会の正常化に向けた与党の努力を求めた。公明党の谷合正明中央幹事会長も、改正案の賛否に当たり「静謐な環境をつくれるか否か」を重視する考えを示した。
共産党の小池晃書記局長は東京都内で街頭演説し、養子縁組規定に関して「天皇制がゆがんでいく」と訴えた。日本保守党の百田尚樹代表は女性皇族が結婚後も皇室に残ることに否定的な立場を示した。
一方、自民党の小林鷹之政調会長は党本部で記者団に「皇統を守り、次世代につなぐ大局的見地に基づき典範改正を進める」と表明。養子の年齢を「15歳以上」に限定したことに最後まで異論を唱えた日本維新の会の藤田文武共同代表は記者会見で「自民党、首相官邸から強くお願いがあり、幅広い合意の中で進める苦渋の決断をした」と述べた。 [時事通信社]