東京都新宿区の路上で昨年3月、動画配信中の女性を刺殺したとして、殺人罪などに問われた高野健一被告(44)の裁判員裁判の初公判が1日、東京地裁(井戸俊一裁判長)であった。高野被告は起訴事実を認め、「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
起訴状では、高野被告は昨年3月11日、同区高田馬場の路上で動画配信をしていた佐藤愛里さん(当時22歳)をナイフで多数回刺して殺害したとしている。佐藤さんは事件当時、自身が山手線沿線を1周する企画として徒歩で移動する様子を生配信していた。
検察側は冒頭陳述で、高野被告が2021年末に佐藤さんの配信動画を見て好意を抱き、LINEで連絡を取り合うようになったと指摘。佐藤さんに求められて貸した計約250万円を返済してもらえず、事件前日に山手線1周の配信予告を見て、復讐(ふくしゅう)するための襲撃を計画し、配信動画を見ながら待ち伏せして殺害を実行したと述べた。
弁護側も冒頭陳述を行い、高野被告が佐藤さんに金の返済を要求しても、ほとんど回収できなかったと主張。こうした事情を踏まえて、量刑を決めるよう求めた。
検察側は証拠調べで、佐藤さんの刺し傷や切り傷が55か所に上ったことを明らかにした。