全国の警察の駐在所約5700か所のうち、5割弱の約2600か所について、警察庁が「住み込み」の必要性が低いと判断し、統廃合も含めた見直しを全国の警察に指示したことがわかった。警察署から車で15分以内と比較的近くにあるためで、治安の確保と人材の効率的な活用を両輪で進めたい考えだ。
駐在所は住居が併設された警察の拠点で、国家公安委員会規則で「原則として都市部以外の地域に設置する」と規定されている。各都道府県警が管轄区域の人口や面積、治安情勢に応じて配置している。
勤務員は原則住み込みで、仕事と生活の両立が警察組織でも進むなか、近年は人材の確保が難しくなっている。警察庁は昨年、適切な配置に向けて、島しょ部を除く全国5730か所の駐在所の立地状況を初めて調査した。
その結果、管轄する警察署から車やバイクなどで15分以内の場所に設置されていた駐在所は、全国の2612か所(46%)に上った。
警察庁によると、駐在所は記録が残る1974年時点で全国に1万239か所あったが、近年は地方の人口減少などで統廃合が進み、昨年4月時点で5852か所になっている。
警察庁が都道府県警に6月23日に出した通達では、「駐在所は警察署から遠隔地に設置することを基本とする」と明記した。署から車などで15分以内の駐在所は「住み込みの必要性や配置を十分に検討する必要がある」と指摘し、統廃合や通勤制の導入を検討するよう促した。
一方で、パトカーによる巡回などで地域の警察力が低下しないよう対応するほか、自治体や住民に丁寧に説明し、理解を得ながら見直しを進めることも求めた。
警察庁は警察業務の改革を進めており、4月には、地域の拠点の警察署に業務を集約することや、複数の署で夜間や休日の当直業務を一体的に行う「ブロック運用」の導入を検討することを明らかにしている。
◆駐在所=原則として1人の警察官が住み込みで働く警察の拠点。勤務員は平日の日中、地域のパトロールや巡回連絡、遺失物届の受理などを行う。夜間や土日は、管轄の警察署や交番が業務をカバーしている。