トクリュウ下見? 気づくと自宅に監視カメラ 被害者が語る恐怖

匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)による犯罪が社会問題化する中、犯行の下見とみられる監視カメラが長男宅に取り付けられた岐阜県の60代男性が毎日新聞などの取材に応じた。危険な目に遭っていたかもしれず、「田舎でも事件に巻き込まれるのかと恐怖を感じた」などと語った。
5月25日午前8時ごろ、長男の自宅敷地内で経営する工場に出勤した際、カーポートの屋根上に四角い物体が二つ置かれているのに気付いた。両手で持てる大きさで「何かの部品が落下したのかな」と思うぐらいだったが、念のためスマートフォンで撮影。それから約2時間半後、外出先から戻るとなくなっていた。当時、工場内にいた次男に画像を見せると「知らない。気味が悪い」。念のため警察に通報した。
一帯は、住宅や田畑が混在。敷地内には家族を除けば取引先の従業員か近くの住民しか立ち入らない。県警の見立てでは、物体の一つはカメラでもう一つはモバイルバッテリーという。盗みに入る前に家人の動向をリアルタイムで監視していたものの、気付かれたので慌てて回収したとみられる。
県警は1~4月で同様の下見事案を80件確認している。外壁や郵便受けに「○」や「×」の印を残すマーキングや、営業マンを装っての訪問もある。5月に多治見市内の住宅に男らが侵入して80代女性が大けがをした事件では、直前に不審な人物が周辺の複数の住宅のインターホンを押していたという。
男性は「三十数年の間、地域でこんなことは一回もなく、家も工場もしっかり施錠していなかった。盗まれるような(高価な)ものはないが、防犯カメラをつけて自衛をするしかない」と語った。
県警は申し出があれば、防犯カメラの貸し出しや、パトロールの強化などの対策を実施しているという。【入江直樹】