「”エースニキ”は大阪に住んでいて、いつもは大阪から店に通っていました。ですが、事件のときはホテルを取って神戸に来ていた。どうやらAちゃんは『いいホテルをとったから、泊まらないか』と誘われていたようです」(常連客の証言)
6月28日、失血死で亡くなった神戸市・福原の風俗店に勤務していたAさん(33)と常連客の壺坂諒さん(33)。警察は殺人容疑で容疑者死亡のまま書類送検する見込みだという。上客だったという壺坂さんは、なぜ無理心中を決心したのか。現地取材で見えてきた犯行の”引き金”は、壺坂さんの一方的な思いだった。【前後編の後編。前編から読む】
関西でも指折りの”色街”である福原。Aさんの知人などによれば壺坂さんは2年ほど前から、Aさんの勤務する店に通うようになった。毎週のようにAさんを指名し、一度の予約で20万円近くを支払うこともあれば、iPhone など高額なプレゼントを貢ぐこともあったという。Aさんの知人が話す。
「だいたいいつも枠(120分のコース)を複数、取っていましたが、プレイをせず部屋で話をしたり、飲食したりする時もあったそうです。Aさんの予約が少ないときや、体調が悪い際には、来店できなくても金だけを払っていた」
1年以上前には、ストーカーまがいのトラブルも起こしていたという壺坂さん。店からは”要注意人物”と認識されていたが出入り禁止にはならず、Aさんはその後も「付き合えないか」などと持ちかけられていた。
そんな壺坂さんに最近、ある異変が起きていた。前編で証言したAさんの知人が明かす。
知人らが指摘する事件の”計画性”
「容疑者が1か月ほど前から、ぱたりと店に来なくなったそうなんです。その直前には、Aちゃんにパートナーの存在がいると勘ぐっていた。Aちゃんは『彼氏いるの?』とかしつこく聞かれて、困っていました。帰りを待ち伏せしていた前科もあるし、容疑者はAちゃんの身辺を探っていたのだと思う。
そんな中で事件の2日前になって、急に3連続で指名が入った。彼はこの3日で、”結論”を出そうとしていたのではないでしょうか」
事件前日にAさんと会っていた冒頭の常連客も口をそろえる。
「”エースニキ”は大阪に住んでいて、店には大阪から通っていました。ですが、事件のときはホテルを取って神戸に来ていた。Aちゃんは前日までに、『40万で一晩いっしょにいて』『いいホテルをとった』と誘われていたようで、とても困っていました」