「俺は殺していない、誰かがとどめを」主犯格の男が語った事件発覚後の心境、土下座する被害者に「もっとやって」と煽った女【江別集団暴行死】被告人質問《詳報》

2024年、北海道江別市で当時20歳の大学生、長谷知哉さんが集団暴行を受け死亡した強盗致死事件の裁判員裁判で15日、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男の被告人質問が行われ、男は法廷で初めて犯行の詳細を話しました。
被告人質問の冒頭、証言台前の席に座った主犯格とされる男(当時18)は「立って謝罪をしたいのですが、立ってもいいでしょうか」と述べ、高杉昌希裁判長が「どうぞ」と許可すると、謝罪の言葉を口にしました。
主犯格とされる男(当時18) 「言葉の一つも交わしたことのない見知らぬ被害者さんに当時、よかれと思って歪んだ正義感で肉体的精神的に苦しい思いをさせ、被害者さんの人生と命すべてを奪い、ご遺族のみなさんの大切な家族の1人を奪い、この先消えることのない傷を負わせてしまい本当に申し訳ございませんでした」と震えた声で述べ、傍聴席の長谷さんの遺族に頭を下げて謝罪しました。
被告人質問は弁護側から始まり、初公判で男が「正直に話す」と言っていことについて問われると、「(今も)変わっていないです。僕にはすべて話す責任があると思ったからです」と述べました。
(事件当日、川村葉音被告(21)らと新千歳空港へ行ったことについて) 「前々からドライブに行く友達だった。自分が飛行機を見たかったから、そこに行きました」
「別れるのか、別れないのか」
(江別の事件現場では何をしようとした?) 「八木原さん(八木原亜麻被告・21)が、被害者さん(長谷さん)が逃げたと言っていたので、被害者さんに嘘をつかれたと思って、直接話を聞きたいと思いました」 「八木原さんは、まだ付き合っていたい感じで、被害者さんは別れたいと。八木原さんと被害者さんがどうしたいのか、別れるのか別れないのか話そうと思っていました」
(事件現場の公園でシャドーボクシングをしたのは?) 「新千歳空港から(事件現場に)向かう時、川村さん(川村葉音被告・21)からボクシング経験者と伝えられて、殴られたら対応できないため、体を動かしていました」
(これまで喧嘩をしたことは?) 「数えきれるぐらいあります」(発言のまま) 「(大人数での喧嘩は)数えきれないほどあります。集団で殴られました。髪を引っ張られて頭ぶつけられることもありました」 「(最大で)9人ぐらいの集団から囲まれて、上の服を脱がされて、トイレの中、便所の中に顔を突っ込まれたこともあります」
20回くらい暴行しました
(第1段階の暴行は?) 「お腹を左足で1回蹴り、右手であごの付近を殴り、被害者さんの足付近を蹴ったり、倒れた時お腹を蹴り、謝罪中に顔を蹴りました。20回くらい暴行しました」 「(立てや、こらと何度も言ったことについて)立った状態で謝罪していて、なんで上から目線で謝罪しているのかと思い、土下座させて、その後、寝っ転がって質問に答えていたので立てやと言いました」 「お腹を抑えて、苦しそうにしていました。口から出血していて本当に怯えている状態でした」 「川村さんの近くに被害者さんが近づいて『近づくなこら、きめーんだよ』と言って、お腹踏みつけたり、Aくん(一緒にいた共犯の少年)らは並んでタバコ吸っていました。八木原さんは、被害者さんの姿をみて、笑っていました。『許す気ないし、もっとやって』と言っていました」
(第1段階の暴行が終わったときは?) 「(長谷さんは)口から出血していて、喋る時、震えていて、倒れ込んでいました。お腹付近を押さえていて、『もう体をいじめないでください』と自分(主犯格とされる男)に言っていました」
(謝ってるのになぜ何度も暴行?) 「血がついたことで、弁償代を払わせようと思いました」 「八木原さんが、許さない、もっとやってと言っていたので、まだ暴力振るわないといけないのかなと思っていました」
「迷惑代」「弁償代」
(第2段階の暴行について) 「(乱暴な言葉で金品の要求?)人にお金を要求することは本当に酷いことをしました」
(血が付いたことについて、なぜ被害者が弁償しなければいけない?) 「当時、自分の服に血がついて、新千歳空港から向かったので、迷惑をかけられたこともあって、迷惑代と血がついた弁償代として強く言いました」 「(迷惑代とは?)自分たち、川村さん、Aくんら(当時16歳の少年や当時18歳の高校生だった男ら)とドライブしているのに、知らない人に邪魔されて中間に入らないといけないと思い、迷惑と思いました。
「(変な考えだと思う?)はい」
(第2段階の暴行の詳細) 「(長谷さんが)倒れ込んでいるところを顔を踏みつけて、お腹を多数回殴り、逃げようとする被害者さんの首ねっこ倒して暴力しました。20回ぐらいだったと思います」 「(共犯者は?)川村さんに被害者さんが近づいて川村さんが『近づくな』と言って被害者さんの胸を付近を蹴りました。Bくん(当時16歳少年)は自分と一緒に被害者さんの顔を踏みつけ、Aくん(当時17歳少年)も一緒になってお腹付近を踏みつけていました。(長谷さんは)どっちの目かわからないのですが、青く腫れあがり、鼻の両サイドから出血していて、しゃがみ込む状態でした」 「(もうやめよと言ったことは?)ありました。被害者さんが謝罪するたび、八木原さんに『血が出てる、もういいんじゃない?』と聞くと、『まだやって』と、川村さんも『これくらいやられる罰がある』といい、まだしないといけないと思いました」
(なぜ八木原被告が「もっとやって」と続けた?) 「被害者さんから弁償代もらったので、暴力しなくてもいいと思っていたが、被害者さんの彼女の八木原さんが『許す気ない、まだやって』と言っていて、暴力を止めることができませんでした」 「(自分の意思では?)正直、八木原さんの友人の川村さんと友人だったので、川村さんと八木原さんにまだやってと言われると思い、止めることができませんでした」
「止める気持ちがあれば終わったと思う」
(川村被告と八木原被告がコンビニから戻ってからも暴行=第3段階の暴行) 「八木原さんが『許してねえし、もっとやっていい』と言っていると川村さんから聞いたので、まだ暴力を振るわないといけないのかと思い、暴行を続けました」 「自分は強く八木原さんに『もういいんじゃね』と言ったし、『もう倒れているし、血出てる、許せよ』と言ったが、八木原さんはもっとやってと、自分は暴行をしないといけなのかと思い、続けました」 「(強くやめようとした?)はい」
(今日になって、暴力が止まらなかったことに思い当たることは?) 「共犯者の誰1人として止めることがありませんでした、止める気持ちがあれば終わったと思いますが、自分も同じようなことをされたことがあり、被害者の気持ちに全くなれませんでした」 「自分は(長谷さんの下半身)に火をつけて以降は暴行をしていません。もう振おうとは思いませんでした。最後に被害者が土下座をして謝った際、もう帰りたかったです。Bくんも明日仕事だと、自分に強く帰らせてくれと言ったので、八木原さんを被害者さんの前に行かせて、被害者さんに謝らせました。八木原さんは『もっとやって』と言ったが、自分は『もうこれ以上はいい』と言ったので、八木原さんはもういいか、といってその場を離れました」
(検察側の証拠で見せられた長谷さんの姿について) 「第1暴行でも出血、第2暴行でさらに出血、第3暴行では両目が腫れて見えないのに、被害者に歩いて帰れというのは本当に申し訳なかったです」
(暴行のあとは?) 「暴行の中で被害者さんが警察に行くと言ってたので、交番に被害届を出しに行くと思いました」 「(どうして亡くなると思わなかった?)以前、9人に囲まれて殴られても全然自分は死ななかったので、被害者も亡くなるとは思いませんでした」
俺は殺していないです。
(被害者が亡くなったと知った時の心象について) 「俺は殺していないです。亡くなったなら、誰かが”とどめ”をさしたんだろうと思いました」
(証拠調べの動画で、被害者が『なんでこんなひどいことするんですか』に対して『お前、調子乗んなや』と言っていたが、被害者は調子に乗っていた?) 「調子に乗っていません」
(調子に乗っていたのは誰?) 「自分だったと思います」
(今、どう感じている?) 「本当にひどいことをしました。被害者さんは寒いなか、衣服を脱がされて女性もいる中で恥ずかしい思い、苦しい思いをさせ、申し訳なかったというか、言葉にできない気持ちです」
起訴状によりますと、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男は、当時17歳の少年ら男女5人と共謀し、2024年10月25日から26日にかけて、長谷知哉さん(当時20)の顔や腹部を多数殴る蹴るなど暴行。
さらに「全部出せ、全額」「クレジットカードもな」などと脅迫して暴行を加え、現金やカードなどを奪い、長谷さんを外傷性ショックで死亡させたうえ、奪ったクレジットカードでたばこなどをだまし取ったほか、キャッシュカードで現金12万7000円を引き出したなどとして、強盗致死や詐欺、窃盗などの罪に問われています。
主犯格の男の被告人質問は、15日午後も行われます。 判決は8月7日に言い渡される予定です。
おことわり HBCでは、特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件は、1人の大学生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。