皇族数の確保策を盛り込んだ改正皇室典範が17日午前の参院本会議で、与野党の賛成多数で可決、成立した。結婚した女性皇族の皇族身分保持や、1947年に皇室を離れた旧11宮家の男系男子を養子で皇族とする制度の創設が柱だ。養子の子である男子には皇位継承資格が付与される。現行の皇室典範の実質的な改正は、47年の施行後初めて。
採決の結果、投票総数241のうち、賛成は184、反対は57だった。養子制度では、旧宮家の15歳以上の男子で配偶者と子がいない場合、皇族との養子縁組が可能となる。天皇、皇后両陛下と上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻は養親になることはできない。
天皇と皇族の養子を禁じる皇室典範9条は維持し、例外と位置づけた。養子本人は皇位継承資格を持たない一方、養子の子である男子は「生まれながらの皇族」として資格を持つ。養子の子の皇位継承資格は、衆参両院の正副議長が取りまとめた「立法府の総意」には明記がなく、立憲民主党などが問題視していた。
政府は改正の目的について「皇族数が減少している現状に鑑(かんが)み、皇族数確保のための措置を講じる」と説明するが、立民などからは「新しい皇位継承資格者を生み出す制度にすり替わった」との批判が出ている。
一方、女性皇族の身分保持では、結婚時の皇籍離脱を定めた12条を削除した。経過措置として、改正法施行時の女性皇族は、結婚時に本人の意思で皇室に残るかどうかを決められる。皇室に残る女性皇族の夫と子の身分は、一般人のままとし、皇族と一般人が同居する形となる。「居住関係の公証を受けられるようにする」(木原官房長官)ため、結婚した女性皇族に住民基本台帳法を適用する。
立民などは「家族の一体性」などを理由に、夫と子も皇族とするべきだと主張したが、与党は、母方のみ天皇の血を引く「女系天皇」につながりかねないことから認めなかった。
付則では、養子制度と女性皇族の身分保持の双方について、必要に応じて所要の措置を講じるとの規定を設けた。「30年ごと」の見直しも明記された。衆参両院の委員会で採択された付帯決議では、安定的な皇位継承を確保するための方策について「引き続き、検討する」と明記されたが、法的拘束力はない。
皇室典範のほか、皇室経済法などの関連法も改正された。16日の参院皇室典範改正特別委員会での採決では、自民、日本維新の会、国民民主、公明、参政の各党が賛成し、立憲民主党、共産党、れいわ新選組は反対した。