22日に開かれた社会保障国民会議の実務者会議では、消費税減税に対する与野党の意見の隔たりが改めて鮮明となった。与党が来年4月から2年間の実現を目指すのに対し、野党からは、より早期に実施が可能な現金給付を求める声が相次いだ。国民会議での合意を事実上断念し、高市首相が政治決断を下すとの見方が強まっている。(土居宏之)
「チームみらい以外は、各党が消費税減税を公約として掲げていたと記憶している。消費税減税に理解があるのかなと思っていた」
実務者会議の議長を務める自民党の小野寺五典・税制調査会長は22日の会議後、記者団にこう述べた。2月の衆院選で消費税減税を掲げた野党が、2年間限定の食料品の消費税1%案に反対していることをけん制したものだ。
前回の会議で、中低所得者向けの新たな給付制度を2029年度から導入することでは大筋合意しており、消費税減税でも月内の意見集約を目指している。
だが、溝は大きい。中道改革連合と公明党は、2年間限定の減税に反対し、「来年4月を待たずに早急に定額給付を実施すべきだ」と訴えた。中道改革の赤羽一嘉税調会長は会議後、衆院選で掲げた食料品の恒久的な消費税ゼロは引き続き目指すとしつつ、2年間限定では「終了後に大増税となり、国民生活へのダメージが大きい」と記者団に説明した。
国民民主党は、消費税率の一律5%への引き下げを公約に盛り込んでいたが、年内に社会保険料の還付として5万円程度を給付し、その後に住民税や所得税の減税を行うよう求めている。古川元久代表代行は「スピード感という観点から、まず手を着けるのは給付だ」と記者団に語った。
与党は参院では少数のままで、会議に参加する野党で唯一、消費税減税に理解を示す日本保守党(2議席)を足しても過半数には届かない。
それでも首相は、8月初めまでに方針を決定する考えを表明しており、「消費税減税への決意は揺らいでいない」(首相周辺)との見方がもっぱらだ。日本維新の会の藤田文武共同代表は22日の記者会見で「最後は首相がどう決断するかも踏まえ、与党として協議していく」と強調した。