【永田町番外地】#88
高市早苗首相が「反省点なし」とした国会だったが、国民有権者の怒りや落胆ぶりはマスコミ各社の世論調査の示すとおりだ。高市内閣、自民党支持率の急落はもちろんのこと、政党支持率は与野党ともに振るわず。とりわけ終盤国会、与党過半数割れの参院でキャスチングボートを握る国民民主党の“裏切り”には、怒りの声がネット上にあふれている。
たとえば、高市が来年4月から食料品の消費税を2年間限定で1%に減税する方針を示したことに対する玉木雄一郎代表の対応だ。「経済に悪影響が大きい」として反対する姿勢を鮮明にしたのだが、これが「公約違反じゃないのか」と袋叩きにあっている。ネット上の代表的な声を紹介しよう。
「国民民主は先の衆院選の重点政策に、消費税一律5%減税の公約を掲げていた。それなのに高市さんの消費税減税のやり方が気に入らないからとケンカ腰で反対するのは支持者への背信ですよ。何が対決より解決だ」といった具合である。
「高市首相の消費税減税が物価高騰対策なのに対して、国民民主は消費税一律減税を景気喚起策と位置づけている。だから玉木代表は反対なのですが、一般の消費者からすれば、小難しいことはともかく、同じ減税なんだからサッサと賛成・実施してくれよが本音。それで“公約と違うじゃないか”と批判が集中しているのです」(全国紙デスク)
かと思えば、玉木国民民主は、世論調査で反対や慎重論が多い「愛子天皇」潰しの皇室典範の改正や国旗損壊罪法案ではあっさり高市自民党に手を貸している。これも根っからの支持者にはチグハグに見える。
保守本流、穏健保守の象徴的存在だった故・大平正芳元首相の後継を名乗り政界入りした玉木が掲げる保守リベラル、中道保守の旗印に期待を寄せてきた支持者は少なくない。しかし、高市首相の男尊女卑政策や右傾化暴走に手を貸し、庶民が望む消費税減税にはイチャモンをつける。これに、古くからの支持者はクビをかしげ始めているのだ。
国民民主の代表選が9月6日実施される。立候補者向けの説明会には玉木の他、若手ら3陣営が出席した。玉木の再選は動かないとみられているものの、今の特色なしの“ゆ党”のままでは2、3年前の国民民主に対する熱狂と支持は期待しようもない。支持率低迷が続く国民民主は瀬戸際に立たされている。 (=文中敬称略)
(特命記者X)