イオン、爆発事故で遺族に補償方針 イオンモール社長らが謝罪

熊本地震後にショッピングセンター「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)で起きた爆発でテナント従業員7人が死亡した事故を巡り、イオン(千葉市)が遺族に対し、早期に補償する方針を固めたことが同社などへの取材で判明した。グループ会社の「イオンモール」(同)の大野恵司社長らは11日、複数の遺族と自宅などで面会。屋外避難したテナント従業員らの再入館を許可した事実を確認したと認めた上で「会社の責任です」などと謝罪した。
イオンは爆発の原因究明と再発防止に向け、外部の専門家で構成する「事故調査委員会」を5日に設置した。イオンによると、調査委の調査結果を待たずに補償する方針。調査結果に基づく法的責任の有無などに応じて、さらなる補償なども検討するとみられる。補償の具体的な内容は明らかにしていない。
イオンは11日、同社が実施した聞き取り調査などで、客やテナント従業員の屋外退避の完了後、避難解除する前に現場の判断で従業員の再入館を許可した事実が確認されたとホームページで発表した。複数の遺族によると、イオンモールの大野社長らはこの日、イオンの発表前に面会し、再入館を許可した事実を明らかにした。
大野社長らは遺族に「入館を許可していた事実が分かりました。この度は大変申し訳ございません。会社の責任です」などと謝罪し、補償について「イオンとして対応する」と説明したという。イオンの担当者は補償について、毎日新聞の取材に「法的責任の解明を待たず、早期に対応していく方針だ」と述べた。
地震は7月28日午後4時27分に発生。イオンによると、午後5時ごろまでに客やテナント従業員全員の屋外避難が完了した。イオンの災害マニュアルは「警察や消防などの行政機関と連携した安全確認」が完了するまで再入館できないと定める。しかし、一部のテナント従業員は安全確認の完了前に再入館。午後5時50分ごろに起きた爆発に巻き込まれ、7人が犠牲になった。取材に応じた複数のテナント関係者らは再入館する際、イオン関係者らから許可を得たと証言していた。
イオンの吉田昭夫社長は地震翌日の記者会見で、館内に戻っていいとアナウンスしたのかとの質問に「一切ない」と述べていた。イオンの広報担当者は「戻ってもよいという指示も含めて現時点で断定できない」としていた。【古瀬弘治、野呂賢治、高橋晃一、諸隈美紗稀、志村一也】