福岡県議会でまた異例の事態 ”県議会のドン”蔵内議長に対する「議長職辞職決議案」が採決中止に 背景に何が?

様々な問題が相次ぐ福岡県議会で17日、また異例の事態が起きました。
採決予定だった蔵内議長の辞職勧告決議案が一転して中止に。
混乱する県議会に県民から批判の声が挙がっています。
傍聴席整理券の配布に長い行列
17日、県議会にできた人の列。
臨時議会を傍聴しようと集まった人たちです。
40席の傍聴席は、キャンセル待ちまで出る異例の事態となりました。
60代男性

「地元の議員がどういう行動をされるのか実際見てみたいと思って来ました」
60代女性

「これからの福岡県政が県民としてどうなっていくかとても心配ですし、ちゃんとなってもらいたいという気持ちが強いです」
「最大の焦点」蔵内議長に対する議長職の辞職勧告決議案
正副議長のポストをめぐる金銭授受疑惑や高額な海外視察の問題などいまや全国から注目される福岡県議会。
福岡県議会 板橋聡副議長

「蔵内勇夫議長の議長職辞職を勧告する決議案がお手元配布の通り提出されましたのでこれを報告上程いたします」
17日の臨時議会で最大の焦点となったのは、蔵内勇夫議長に対する議長職の辞職勧告決議案です。
福岡県議会 吉松源昭議員

「部課長会のパーティー券問題、講演料水増し問題、議長ポスト等をめぐる金銭授受の疑惑など蔵内議長が密接に関わるこれらの不祥事は、県議会の正当性を根底から揺るがす事態を招いています」
採決の中止を求める”緊急動議”
しかし、提案した議員が説明を終えた直後・・・
自民党福岡県議団 林泰輔議員

「動議!」
自民党県議団の議員から、採決の中止を求める緊急動議が出されます。
緊急動議を出したのは蔵内議長の元秘書だった議員
自民党福岡県議団 林泰輔議員

「これはたった今、上程されたものであり、我々議員はその趣旨について十分な理解に至っていません」
緊急動議を出したのは、蔵内議長を「師」と仰ぐ元秘書の林泰輔議員。
福岡県議会 吉松源昭議員

「(決議案に)賛成かどうか起立で採決しないと駄目でしょう!」
福岡県議会 板橋聡副議長

「本決議を直ちに議題とし、これより採決いたします、本動議の通り決議案の採決を中止することに賛成の議員はご起立願います」
決議案の採決を「中止」に
動議に対し最大会派の自民党県議団は、金銭授受疑惑を告発した江藤秀之議員を除くすべての議員が賛成。
第2会派の民主県政クラブも、半数が賛成に回りました。
福岡県議会 板橋聡副議長

「起立多数であります。よって決議案の採決を中止することの動議は可決されました」
蔵内議長の進退を問う決議案は採決されず、県議会としての意思は示されないまま閉会しました。
採決中止に県民の声は・・・
混乱が続く福岡県議会に県民からは批判の声がー
40代男性

「県民の心は辞めてほしいというのがあるので、採決してほしかった」
60代男性

「全部、自民党の企みでしょう。党の組織の強さでしょう。下の者は全部従うしかないみたいな」「根本的な組織から変えた方がいいんじゃないですか」
30代男性

「(辞職)勧告が出たっていうのは重く受け止めてほしいですね」「(蔵内議長には)もうちょっと表に出てきて説明してほしいなとは思いますね」
「県議会のドン」への踏み絵?自民党県議団の中でも紛糾
「福岡県議会のドン」・蔵内議長への踏み絵ともされた、今回の決議案。
RKB 松村かれん記者

「まもなく臨時議会の開始予定時刻ですが、自民党県議団では協議が続いてます」
議長が所属する自民党県議団では協議が難航。
臨時議会の開催が数時間、遅れる事態となり、各会派への説明に追われました。
想定外の状況に議会事務局の職員も困惑した様子を隠せず・・
議会事務局職員

「動きようがない・・・」
議長の辞職に賛成する声も・・・
協議が紛糾した理由の1つが、自民党の若手議員から議長の辞職に賛成する声が挙がったことです。
臨時議会では若手議員が決議案への「賛成討論」を行う予定でしたが・・・
自民党福岡県議団 江頭祥一議員

「井上正文議員の討論の取り下げの取り計らいをお願いします」
直前で取り下げる事態に。
賛成討論を行う予定だった井上正文議員は・・・
自民党県議団(2期目)井上正文議員

「色々と自分でも熟慮し、また会派の同期とも様々な議論を行いましたが、最終的に議長が思いを示されたということで(取り下げの)判断に至った」
蔵内議長が初めて進退を示唆
取り下げの理由として挙げたのが、非公開で行われた自民党の議員総会で蔵内議長が初めて示唆した進退表明です。
福岡県議会 蔵内勇夫議長(複数の議員への取材による)

「金銭授受疑惑をめぐる第三者委員会の設置や政治倫理条例の制定について一定のめどが立った時点で議長職を辞職する」
これまで報道陣の取材に対し、議長職の続投を表明していた蔵内議長。
(Q決議案の採決が見送られたことについて)
福岡県議会 蔵内勇夫議長

「ノーコメント」
時期は明言しませんでしたが、一転して、議長職を辞職する考えを示したということです。
「決議案の採決中止」に議員からは賛否の声
高額な海外視察や金銭授受疑惑など様々な問題の渦中にいる蔵内議長。
その責任を問う決議案が採決中止になったことに対してはー
採決中止の動議に賛成 自民党福岡県議団 渡辺勝将会長

「やはり議論をする時間がないというのが一つでした。自分の地元の有権者の顔そういうものに対しての説明する時間もないということで会派をまとめるためにはこういう形(動議)を取らざるを得なかったというのが実情です」
採決中止の動議に反対 民主県政クラブ 岩元一儀議員

「(決議案の採決を)やるべきだという気持ちでおりますので、それがやれなかったというのは誠に残念ですよね」
採決中止の動議に賛成 民主県政クラブ 原中誠志会長

「(採決が)今このタイミングなのかと。やっぱりこれから先(金銭授受疑惑の)第三者委員会の中身も含めて、さらには9月県議会で、どのように蔵内議長が職責を果たされるのか、これがまだわからない状況。蔵内議長を守るとか、蔵内議長に忖度するとかですね、蔵内議長が怖いからということではありません。それははっきり申し上げたい」
相次ぐ問題で混乱が続く福岡県議会。
このままの状態で正常化できるのか、県民から厳しい目が向けられています。