地元・奈良にも帰らず、まとまった夏休みも取らず、高市早苗首相は公邸にこもって、9月にも行うとみられる内閣改造・自民党役員人事を思案中だ。焦点は鈴木俊一幹事長の去就を筆頭にした麻生派の扱いだが、高市首相と麻生太郎党副総裁のギクシャクした関係は、消費税減税をめぐってさらに悪化した。これが人事にどう影響するのか。永田町ではさまざまな臆測が飛んでいる。
■折に触れて「国民民主のことをちゃんと考えろ」と首相に念押し
来年4月から2年間限定の飲食料品の消費税1%への引き下げは、霞が関が動き出すお盆明けの17日から制度設計に向けての調整が本格化する。政府が描くのは、9月に消費減税を盛り込んだ税制大綱を決定し、秋の臨時国会に関連法案を提出するスケジュールだ。
自民党の役員会で、「消費減税は公約に書いてある」と訴えた高市首相は、慎重論が渦巻く党内を最終的にむりやりまとめさせた。役員会や税制調査会に先立って、高市首相は麻生副総裁・鈴木幹事長と会談。麻生氏から「反対だが、決めたなら従う」と了承を得たとのことだったが、その真意はやはり「冷ややかに突き放した」と見た方がいいようだ。
16日配信の時事通信によれば、麻生氏にとって消費税率の維持は、国民民主党の連立政権入りに向けた環境整備の意味合いがあった。麻生氏は国民民主の玉木代表から「1%案はのめない。連立はそれ次第だ」と伝えられていたため、折に触れて高市首相に「国民民主党のことをちゃんと考えろよ」と念押ししていたというのだ。
高市首相と麻生副総裁のギクシャクが悪化
それでも高市首相は1%を断行した。麻生氏の要望は一蹴されたわけで、麻生氏は、はらわたが煮えくり返っていてもおかしくない。
「幹事長人事については、鈴木さんの交代で萩生田光一代行の昇格という話が出ているが、麻生さんと萩生田さんは関係が悪くないとはいえ、それでも麻生さんは幹事長ポストを麻生派で取りたいだろう。消費減税で麻生さんを袖にした代償として、高市総理は政権維持のため、人事で麻生派を優遇せざるを得なくなった」(自民ベテラン)
そうしたことから、「幹事長や官房長官などの骨格は変えない」との見方も出ている。
結局、国会答弁が不安定なポンコツ大臣らの交代程度の小幅改造になる可能性もある。その場合、高市首相は力量不足を露呈することになり、求心力はますます低下するだろう。
「ただ、人事で麻生さんに譲ったとなると、世論は麻生さん嫌いが多いので、高市総理にとっては支持率がさらに下がる要因となる。むしろ、世論を意識して『高市カラー』全開で突っ走る可能性もある。麻生派にしても、来年の総裁選に向け、これを機に高市総理と距離を置くという見方も出ている」(自民中堅)
高市首相vs麻生副総裁。ま、どっちが勝利しようが、国民生活不在の、犬も食わない権力闘争でしかない。早く、物価高を止めてくれ。
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