大阪・関西万博の会場建設工事を巡り、工事費用を下請け業者に水増し請求させ、竹中工務店(大阪市中央区)に約1300万円の損害を与えたとして、大阪府警は19日、同社の現場責任者だった男(61)(奈良市)を背任容疑で逮捕した。同社は万博のシンボルとなった大屋根リングの建設の一部などを担っていた。府警が実態解明を進める。
府警は19日午前、竹中工務店の大阪本店に捜索に入った。
発表では、男は2025年に開催された万博の会場建設工事で、現場トップの総括作業所長だった同年2~5月、下請け業者に対し、工事代金として竹中工務店に約1300万円の水増し分を含む約2700万円を請求させ、同社に損害を与えた疑い。府警は認否を明らかにしていない。
男はこの下請け業者に自宅などのリフォームを依頼。水増し分をその費用に充てさせたとみて調べている。
竹中工務店は今年4月、男について府警に告訴していた。
日本国際博覧会協会(万博協会)は22年4月、リングを含む会場中心部の工事を「西工区」「北東工区」「南東工区」の三つに分け、一般競争入札で施工主を募集。同年7月、竹中工務店が中心の共同企業体(JV)などが西工区の工事を落札した。
JVは工事を複数の下請け業者に発注。男はJVの現場責任者だった。
西工区の工事費は、同年8月の契約当初は193億円。追加工事や資材高騰で増額を続け、今年5月時点で350億円に膨らんだ。会場建設費の全体は2350億円で、3分の2を国と大阪府・大阪市が公金から支出。残る3分の1を経済界が負担した。
竹中工務店の広報担当者は「従業員が逮捕されたのは誠に遺憾。関係者に多大な迷惑と心配をかけ、心よりおわび申し上げる。この事態を厳粛に受け止め、警察による捜査に全面的に協力し、事実関係を確認した上で、会社として厳正に対処する」としている。
万博協会は「万博工事に関連し、不正が行われていたことが事実であれば、誠に遺憾であり、事態を厳粛に受け止める。今後の捜査状況を注視するとともに、必要に応じて協力していく」とコメントした。
万博協会によると、今年6月、竹中工務店から「不正の疑いがある」と報告があり、同社に調査を依頼。今月上旬、同社から「協会に対しての水増しはなかった」との報告を受けたという。